アパレル業界に対する考え方と知らない業界で起業する抵抗感

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アパレル業界に対する考え方と知らない業界で起業する抵抗感について

スタートアップを起業する際、経験したことのある業界で起業するのがよいのでしょうか?
それとも、違った業界で起業した方がいいのでしょうか?

今回、スタートアップを起業した小関翼氏に「アパレル業界に対する考え方と知らない業界で起業する抵抗感」というテーマでインタビューを行いました。

アパレル業界で起業する抵抗感、洋服への興味とこだわり、アパレル業界に対する考え方、コレクションブランド至上主義、日本の縫製工場についてなど、お話を伺っています。

アパレル業界の仕事に興味がある方や、これからアパレル業界で起業したいと考えている方の参考になれば嬉しいです。




目次

アパレル業界で起業する抵抗感

アパレル業界で起業する抵抗感について

「STYLER」は、例えば「ZOZOTOWN」や「Factelier」と同じ業界になるんですか?

「アパレル業界」という括りでは、同じ業界ですね。

でも、起業する時に調べはしたけど、業態がかなり違うんで、そこまで意識はしていないかな。
たとえば「Factelier」は実際に物を作るから、プロデュース業に近いよね。

今までアパレル業界ではなかったのに、知らない業界で起業することに抵抗感はなかったんですか?

アパレル業界で起業する事に、抵抗感はあんまりなかった。
優れた知性の持ち主だったら、どこの業界に入っても適応できるものだとは思っているんだよね。

それに、分業自体は進んでいくものだと思っている。
なぜかというと、現代社会はなんでこんなに高度な文明が築かれているかというと、それぞれが分業して専門性を高めることによって、生産性を高めているから。だから、高度な文明が築かれている。

ただ、それぞれが専門性を高めていくと、実はドツボにはまっちゃう場合があるんだよね。
例えば、馬車のメーカーが馬車の専門的なところにどんどんリソースを投下して専門性を高めると、内燃機関とか電子的な技術がある人が自動車を作って、いつの間にか馬車メーカーを一気に追い抜いた。

そうすると、馬車に乗っている人がほとんどいなくなるっていうように、専門性を高めることは重要なんだけど、意外とドツボにはまりがちなのかなと思っていて。特にイノベーションを起こす場合にはね。

そういうことを考えると、「横断的な知性」みたいなあり方が僕はすごい重要になってくるんじゃないかなと思っている。

洋服への興味とこだわり

洋服への興味とこだわりとは

洋服の専門学校を出ていないと思いますが、洋服を作る事に関しての知識はどうしているんですか?

好きだったら分かるよ。
例えば、漫画が好きな人が「このコマはこうだよね。」とか、映画が好きな人が「このシーンはこうだよね。」とか言うのと同じかな。

洋服はいつから興味を持ち始めたんですか?

高校生から大学生ぐらいかな。
もともと映画とか漫画とか小説が好きだったので、そこから洋服に興味を持った。

特に映画とかは、もろにいろんな年代の洋服が見られるので。
洋服も基本的には教養というか、カルチャーなんだよね。

だから、その人の教養の要素が出るし、生理的に異性を惹きつける道具でもあるし、かつ自分のアイデンティティーをどう投影するか、自己をどう律するかっていう意味もあって、「すごい面白いな。」と思って注目してたんだよね。

洋服に対するこだわりはありますか?

オーセンティックな洋服が好きだね。
文化的な積み重ねがオーセンティックな洋服の方があるから、着ていて社会的なところとリンクしているのが、けっこう面白いかなと思う。

例えば、『「Brooks Brothers」のシャツを着る。』っていうことだけでも、なんとなく意味性を帯びるじゃない。
でも、逆にそれをひっくり返すっていうのも面白いと思う。




アパレル業界に対する考え方

アパレル業界に対する考え方とは

アパレル業界って、市場としては大きいですけど、あまり儲かる業界ではないと思うんですが、どう思いますか?

アパレル業界は市場が大きいので、ビジネスモデル次第では全然儲かっていたし、今でも儲かっている人はたくさんいるんだよね。
アパレル業界は、ものすごく構造格差があると思っていて、儲かるポジションと儲からないポジションがあるんだよね。

例えば、飲食店とかでも、めちゃくちゃ儲かっている人っているじゃないですか、市場規模も大きいし。
でも、飲食店に新入社員で入ったら普通に苦労するし、年収もそんなにいかない。

結局、儲かるポジションと儲からないポジションが明確に分かれているっていうのが、まず1つ。
あとは、生産性の向上とかを無視していたので、淘汰されるべき企業が市場の大きさにかまけて淘汰されないで残っちゃったっていうのもあると思う。

例えば、金融関係とか自動車業界とか、すごい生産性競争にさらされている業界なら、とっくのとうに潰れてたような会社が残っているんだよね。
だから、そういう生産性の向上を無視するような会社が「儲からない。」って言うのは、当然の事だと思う。

大手アパレル上位何社でも、景気が良くないっていう話を聞きますが?

それは淘汰されるべき会社が淘汰されてないっていうことだと思います。
例えば、SHARPとか有名な企業だって景気は良くないけど、残ってるからね。

アパレル業界に入ったとしても、生き残るやり方をすればいいと?

やりようはいくらでもあるよ。
アパレル業界にも儲かってる人はたくさんいるからね。そもそも市場規模が違うから。

アパレル業界のニッチは、他の業界だとそれなりの規模感になっちゃうから。

アパレル業界内での人脈は広がっていますか?

ちょっとずつだけど広がってるかな。
ありがたい話だよ。

アパレル業界って特殊ですか?

いや、どこの業界もそんなもんだよ。
ただ、アパレル業界はいくつか特殊性があると思っていて、「売上規模が大きいので、なかなか改革が進まなかった。」っていうのが大きいと思っている。

もっと売上規模が小さい業界だったら、生産性を上げるために頑張っている企業しか残らなかったと思う。

もう1つは、コミュニティが閉ざされている。
閉ざされたコミュニティの中で流行を作って、自分達でビジネスをやっているっていうのが長く続いているから、そういう意味では特殊。

他の業界はそこまでコミュニティを閉ざしていないから。

コレクションブランドを目指す風潮について

コレクションブランドを目指す風潮

洋服の専門学生の大半がコレクションブランドを目指していると思うのですが、どう思いますか?

そんなに多い?そこまで多くないんじゃないかな。
今もいるのかもしれないけど、コレクションブランドを目指すことは、あんまり意味がないと思ってる。

コレクションブランドって、ビジネスとしては難しい気がします。

ビジュアル系バンドのおっかけと同じなんじゃない?
「横文字だからかっこいい」とか、それくらいかなと思っている。

コレクションブランドに熱狂している人も、社会に出て働き出すと共に熱が冷めるという。

コレクションブランド自体はすごいクリエーションをやっていて、グッチのミケーレとか、ケイニノミヤのノワールとかもすごいと思うけど、ほとんどそんなんじゃないからね。だって、単にショービジネスじゃない。

ファッションショーって出展する側がお金を払って、ファッションショー自体は1円の売上にもならないじゃないですか。

売上にはならないよね。
ファッションショーは完全に終わったものだなって思っていて、やる意味がないものだと思ってる。

新しいデザイナーさんで1回だけコレクションに出して終わる事も多いみたいですよね。

1回のファッションショーだけで、そのブランドを好きになる人もいないよね。
ビジュアル系バンドが好きな人とか、漫画ファンとか、絵画ファンとか演劇ファンとかと同じレベルでは意味があるけど、それ以上の意味がないかなと思う。

もし、それ以上の意味を持たせたいのであれば、LVMHとかケリングみたいな、もっとグローバルな意味での社会性を身につけないと難しいよね。
そう簡単にパリコレとかミラノコレクションをコピーすればいいわけじゃないから、実は。

今のコレクションって、本当に見所がないじゃん。
山縣さんのやつは見たかったけど。

「ここのがっこう」は行ったんですか?

「ここのがっこう」には行ってないけど、山縣さんがすごいのは、もともと完全に海外重視なところかな。

あと、山縣さんのコレクションは、もう「自己表現」とか「アート」の世界だよね。
「LVMH PRIZE」も選考に入ったし、実際に「ここのがっこう」があるのは、その辺りの強さがあるのかなと。

自己表現だよね。
「自分の服をどういう風に表現していくのか」っていう。

例えば、漫画市場みたいなものが現状としてあるわけじゃない。
だけど、漫画市場の中の同人誌市場がどれぐらいの規模があるか分からないけど、同人作家っていう人はたくさんいるよね。それと同じだと思う。

アパレル業界自体がファッションショーを推進していますよね?

それはかわいそうだよね。
あと、一般的な学問の領域とか分野だと普通に否定されているけど、時代遅れの学問的ツールでファッションを語られていることの方が多い気がする。

つまり、才能がない人がファッション批評とかを書いて来たっていうのがある。
なんとなく昔の詩人っぽいことを言っていれば、質がいい批評のように思われるっていう語り口の人が多い。

そこはすごく良くないと思う。
ファッション批評として時代遅れというか。




日本の縫製工場について

日本の縫製工場

日本の縫製工場が廃れていっている現状に対して、どう思いますか?

それは仕方ないことじゃないかな?
結局、中国の縫製工場との競争じゃなくて、一国内での生産性の話なんだよ。

結局、若者って生産性が高くて賃金が高いところに集まるから。
もし縫製工場をやるんだったら、ものすごい生産性を上げて、高い給料を払うべき。
そうすれば若者はたくさん来るから。

確かに給料が高ければ若者は来ますよね。

そう、給料が高ければ来る。
ただ、それはミクロに変えられる問題じゃないから、だったらもっと基礎研究とかそっちのほうをやるべき。

それは繊維産業だけじゃないけど。
伝統的な産業で若者を育成していくのはアリだと思うけど、全体的に産業を残そうっていうのは違うと思う。

そういう風潮がありますよね。

メイドインジャパン?あれも、おかしな話だと思う。
例えば中国で莫大な資本が投下されて、日本人の工場マネージャーが入った縫製工場で製品を作ったら、すごいクオリティの高い商品が出来上がるから。
逆に日本にある小さな縫製工場で、さらに中国人留学生を雇っているような工場だと、ぶっちゃけ質が低いから。

そう考えると、『「メイドインジャパン」って何?』っていう話だと思うんだよね。
結局、何がいいのか分からなかったりする。
「日本製」っていうだけで、質の良くないものだったら意味がないじゃない。

スタイラー株式会社

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スタートアップを起業する方法

今回、「アパレル業界に対する考え方と知らない業界で起業する抵抗感」というテーマでインタビューを行った小関翼氏に「スタートアップを起業する方法」を伺いました。

小さい頃から読書が好きで、パソコンが身近にあった幼少期。大学院を卒業後、大手銀行へ就職。

Amazonやスタートアップでの勤務を経て、スタートアップを起業。

小関翼氏がスタートアップを起業するまでの人生や考え方をインタビューしています。

スタートアップの仕事に興味がある方や、スタートアップを起業したいと考えている方にオススメの一冊です。


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