税理士として広告代理店を起業する理由とは何なのでしょうか?
税理士の資格があるならば、税理士として起業するのが通常の流れですよね。
今回、税理士の資格を持ちながら広告代理店を起業した田原広一氏に「税理士として広告代理店を起業するメリット」というテーマでインタビューを行いました。
広告代理店を起業したきっかけ、税理士としての起業、税理士として広告代理店を起業したメリット、税理士として営業ができるという強みなどについて、お話を伺っています。
税理士や広告代理店の仕事に興味がある方や、これから税理士または広告代理店として起業したいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
広告代理店を起業したきっかけ
税理士の資格を取るために専門学校に通って、今は広告代理店をやっているんですもんね。
そうですね。面白いですよね。税理士を取れたのも、広告代理店を始めたのもつながりですからね。
たぶん広告代理店業務ができた理由って、さっきの「正社員か正社員じゃないか。」っていう部分にあるんだと思います。
「正社員」という縛りがないので、やりたいと思ったことが全部できちゃうんですよ。
しかも、TACの講師をやっていたので、ある程度の安定した収益があったので。
お金がないと、やりたい事をやる余裕もなかったと思うんですよね。
めちゃくちゃ金持ちだったわけではないですけど、安定した収入があることによって、「10万円欲しいから、その仕事をする。」っていうよりも、「何か新しい知識が欲しいから、その仕事をする。」っていう感覚だったんですよ。
それで、成功させればお金が入るじゃないですか。
確かに「やりたい時にやりたいことができる」っていいですよね。
その時によく考えていたんですけど、「成果報酬で雇ってくれ。」って言って、嫌な奴って普通いないじゃないですか。
例えば「100万円売ったら20万円ちょうだい。」とか、原価率がよければ「100万円売ったら50万円ちょうだい。」とか、雇う側からしたら損はないですよね。
「入金ベースで報酬をください。」というのであれば、「どこでも働けるな。」っていうのは感覚的にあったんですよね。
広告代理店のビジネスも「成果報酬で。」って言えば、どことでも契約はできるので。
質問にうまく答えられていないかもしれないですけど、「どうやって起業したか?」って聞かれれば、「縛りがなかったので、ポンポンいろんな事をやった結果、起業していた。」という感じです。
「やっていることが中途半端だな。」って思ったこともあるんですけど。
税理士としての起業
税理士のお客さんって、個人事業主から法人までいますよね。
そうですね。あとは単発だと相続とか融資の仕事もあったりしますね。
割合としては、僕は個人事業主の方が多いんですけど、法人の方が多い税理士事務所が多いと思います。
やっぱり個人と法人では額が違いますし、個人と法人の申告って個人の方が量が少ないので、法人の方が大変なんですよ。
なので、法人の方が顧問料が高いっていうケースがほとんどです。
それにしても、僕の仕事はかなり特殊なので、みなさんの役に立ちますかね?
「変な奴いるんだな。」で終わっちゃうんじゃないですかね?
いやいやいや。(笑)でも、かなりレアケースですよね。
税理士は「資格を取って、税理士として起業する。」っていうケースがほとんどですよね。
なので、僕は他の仕事もやっていて、世間一般の税理士よりも税理士としての仕事をそこまで受けていないので、怖いんですよ。
間違えちゃうかもしれないじゃないですか、チェックする人がいなければ。
なので、自分が税理士法人の代表でやるのはよくないなと思って。
2人で税理士法人を起業して仕事の棲み分けをすれば、もう1人の税理士がチェックしてくれるので安心ですよね。
税理士として広告代理店を起業したメリット
そうですね。仕事の棲み分けは大事ですよね。
税理士も20年30年、仕事として税理士をやっている人がいるわけじゃないですか。
でも、逆に誰もやっていない分野だったら、競う人がいないわけじゃないですか。だから、勝てると思うんですよ。
「人と同じ事をやってもどうせ勝てないんだから、人と違う事をやろう。」っていうのがきっかけで、人と違う、かぶらない事ばかりをやって商売をしようとは思っていますね。
税理士で広告代理店やっている奴なんていないじゃないですか。
「税理士」っていうだけで、「お金の事に詳しい。」と思ってくれるので。
税理士の仕事をすると、税金の事を話すので、だいたい社長クラスが来るんですよ。
「経理担当者だけが来る。」ということは基本的にはないんですよね、会社の節税とかもしないといけないので。
会社のトップと話せる広告代理店の人間なんて、あんまりいないじゃないですか。
そこが税理士の資格を持っている強みですよね。
確かに税理士の資格って、そういうところでも役に立ちますね。
あと、融資の仕事を受けている税理士事務所もあるんですけど、僕もここ2年で50件くらいは融資の仕事を受けていて。
面談に同席したり、資料も作ったりしていて、たぶんここまで融資の実績を個人一人で作っている人っていないと思うんですよね。
融資を受ける時って、代表者が面談に行かないといけないんですよ。個人事業主でも、法人でも。
そうすると、自然と代表者と仲良くなるじゃないですか。
ここまで代表者と仲良くなれる広告代理店って、いないと思うんですよ。
普通の広告代理店だと担当者とのやりとりになっちゃいますからね。
はい。さらにコンテンツやSEOに関しても詳しい。
最近、「コンテンツSEO」って流行っているじゃないですか。
そこまでいろいろな事ができれば、被るところはないだろうなと思います。「他と被らない。」っていうことは、競合がいないので。
どれか1個で見れば競合がいるでしょうけど、これだけいっぱいノウハウがあれば大丈夫かなと思います。
引き出しって、多い方が強いじゃないですか。
税理士・融資・コンテンツSEOの3つの引き出しが強力なので、他社には負けないかなと思っています。
税理士として営業ができるという強み
かなり強力な武器を持ってますね。
もし「税理士事務所しかやるな。」って言われたら、たぶん負けまくると思います。
しかも、それが自分だけが代表の税理士事務所の場合、無理だと思います。
もし税理士事務所をやるなら、自分は営業だけ。
それ以外の税理士業務は、一緒にやるしっかりした方々がやる、これが一番理想だなと。
広告をやったり融資をやったりすれば、「あなたの税理士事務所はいくらなんですか?」っていう質問をけっこうされるので、ある程度自然に営業ができると思います。
自然に営業ができるってだいぶ強みですね。
どこかの雑誌に載っていたんですけど、税理士って「8割不満を持たれている。」って言われているんですよ。たとえば「高い。」とか。
普通、月に1回顧問先に行けば、いい税理士事務所なんですよ。
だから「半年に1回しか会っていないのに、これだけ高いお金を払っている。」と思うんでしょうね。
税理士って見えないところで仕事をやっているんですけど、顧問先には何をやっているか分からないんですよ。
ほとんど何もやっていないのに、お金だけ払っていると思われているんですよね。
あと、税理士業界は社交的な人があまり多くないので、不満を持っている方が多いのであれば、その不満を聞いてあげて、そこを解消してあげればいいだけなので、営業部分だけで言えば、僕は他の税理士さんには負けない自信はあります。
あと、いろんな人に会えば仲良くなれる自信もあるので。
なるほど。営業力と社交性も武器なんですね。
何を話そうと思ったか忘れちゃったんですけど、僕は「よーいドン!」でスタートした時には負けちゃうんですけど、競合がほとんどいなければ勝てるので、競合がほとんどいない分野をビジネスにしている感じですね。
偶然TACの講師をやれたことが、その考え方に立たせてもらえたきっかけかなと思います。
講師をやっている時は時間に余裕があったので、いろいろやりたいと思った事ができたんですよね。
もしこれが、正社員で「週5来い。」という会社だったり、副業がダメな会社だったらできないじゃないですか。
TACの講師として働けたことが、人生を変えたと思うんですよね。
「起業家×酒場」では、16人の起業家・フリーランスにインタビューを行なっています。
「Amazon kindle」で電子書籍として全文を読むことが可能です。
「Kindle Unlimited」では、無料で読むこともできます。
起業に興味がある方やフリーランスとして仕事を行いたい方におすすめの1冊です。