美大を目指す人はどういったきっかけで美大を目指すのでしょうか?
子供の頃から絵を描くことが好きだった、好きな画家がいるなど、その理由は様々かと思います。
今回、カメラマンとして独立した齋藤剛志氏に「興味本位で行った予備校の体験入学から美大を目指した理由とは」というテーマでインタビューを行いました。
高校の同級生に連れられて行った、美大の予備校の夏期講習でのエピソードや、美大でテキスタイルを学んだ理由などを伺っています。
これから美大を目指す方や、現在美大を目指して頑張っている方の参考になれば嬉しいです。
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目次
幼少期〜結婚
出身はどこですか?
埼玉県の岩槻っていうところ。
知ってる?
東岩槻っていうところで、今日はそこに帰るんだけど。
実家に帰ります。
東岩槻にはいつまでいたんですか?
結婚するまでずっといた。
26歳の時かな。
ふらふらしていて、奥さんとは学生の頃から付き合ってたんで。
ふらふらしてる時も付き合ってたんだけど、なかなか親に会いづらいじゃないですか、無職って。(笑)
それで、そこのスタジオで働けるようになって、ちゃんと保険とかそういうのがついてきて、やっと人間として世間から見てもらえるランクにいった時に挨拶しに行って、アシスタント中に結婚したんだよね。
スタジオに入って1年くらいで。
25歳からやり始めて、26歳の時に結婚したんだよね。
すごい決断力ですね。
入った瞬間に「やっと一人前になれたかな。」って。
でも、一人前じゃないな。
日本って厳しいじゃん、そういうの。
無職に対して。(笑)
「無職」っていう後ろめたさがなくなったんで、これでいけるかなって。
なんも考えてなかったな、先がどうこうとか。
いつから結婚しようと思ってたんですか?
いや、全然。
25歳の時から。
挨拶しに行くちょっと前だよ。
小さい時はどんな子だったんですか?
全然覚えてないけど、いたずらっ子だったかな。
俺、小・中・高の記憶がほぼないんだよね。
面白くなかったんだよね、きっと。
何やってたんだろう?
小学校・中学校の時はサッカーをやって、高校の時はテニスやってたな。
でも、2年生ぐらいで辞めて、その後は帰宅部。
田んぼの真ん中にあるような田舎の学校で。
小・中・高と全部公立です。
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高校生活と大学受験
どこから美術系になったんですか?
僕が行った高校が、総合学校みたいな感じで、いろんな系統があったんですよ。
文系とか理系とか8つぐらいあったのかな?
各専門に分かれてたのね。
その中に、「語学」とか「美術」とか「体育」とかもあって。
その系統ごとにクラス分けされているんじゃなくて、1個のクラスに混在してるの。
それで、授業の度にクラスを替えるっていう、大学みたいな感じかな。
専用の教室に移動して、また次の授業も移動してみたいな。
朝と帰りだけはクラスに集まってホームルームをやるんだよね。
それで、僕は理系だったの、理系コース。
数学、理科を中心にやるコース。
中学までは数学と理科が好きな方だったんだよね。
それで、高校行ったらなんかだんだん分からなくなって、微分積分とか。
「なんじゃこれ?」みたいな。(笑)
変な記号がいっぱい出てくるし。
「全然わかんないこれ〜。」ってなっちゃったんだよね。
中学校までの数学だったら、パズル感覚でできたんだけど、高2ぐらいになって微分積分が出てきた時くらいに「あぁ、もうダメだ。」と思って。
高3の一学期までは、結構頑張ってたの。
そのぐらいから全国模試みたいなのをやらされるじゃない。
それで、目標大学をとりあえず設定して、合格率がどうのみたいな。
どの辺の大学を設定していたんですか?
東大と…(笑)
その他の大学とか知らなかったから。
東大・慶応・早稲田・つくばとか、知ってる「この大学に行きてぇなぁ。」みたいなところを書いて模試受けたら、全部20%未満だったの、合格率が。
「これはダメだ。」と思って。
その時、数学とか理科も面白くなくなってきてて。
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美大の予備校に通った理由
なぜ美大の予備校に通ったんですか?
それで、その頃同じクラスに美大を目指してる友達がいたんですよ。
その人と仲良くて、「お前はいいよな。絵ばっかり描いてて。絵だけで行けるんだ、大学。」って言ったら「行ける、行ける。」って。
みんな高3になったら受験勉強じゃない。
その人はその中でフリーだったの。
「フリーダム!」みたいな。
「いいなぁ。」って思ってて。
それで話してたら、美大を目指す予備校があって、「そこに通ってるんだ。」って言ってたんだよね。
「へぇ、そんなところあるんだ。」って。
普通の勉強の予備校じゃなくて、絵とかを勉強するような、美大を目指すための予備校。
その時、僕も含めた三バカ遊び組みたいな、いっつもつるんでた3人がいて、高校生の頃だからさ、女の子の事ばっかりしか考えてなかったわけ。(笑)
みんな帰宅部で、勉強も熱心じゃなくてさ。
放課後は街に繰り出し、ゲーセンに行ったりしてたんだよね。
その3人と美大を目指してる友達の4人で話してた時に、「夏休みに無料で体験できるクラスが開催されるから、来れば?」って。
その時にヌードデッサン、ヌードの女性が来てモデルになって、その絵を描くっていうやつだったの。
「マジでー!?」みたいな。(笑)
それは間違いなく行きますよね。(笑)
美大に行きたいとかじゃなくて、まずはそこだったんだよね。
3人で「マジで!?行こうぜ、行こうぜ。」って言って。
それで、夏休み前だったかな?
7月くらいに、「来週やるから来なよ。先生に話しとくね。」って言ってくれて。
「よろしくお願いします!」って。(笑)
講習当日行ったんですよ、ワクワクしながら、バカ3人で。
それで、その授業が始まる前に、そこの塾の塾長さんみたいな講師の人と面談があったんだよね。
「何歳ですか?」とか、「絵は描いた事ありますか?」とか聞かれて。
絵の経験とかなかったから、3人とも。
「いや、一回もデッサンとか…」って。
まず、「デッサンって何?」って感じだったから。
そうしたら「そっかぁ… 初心者かぁ…」って言って、「今日はね、ヌードのデッサンなんだけど、いきなりヌードデッサンは難しいかな。」みたいなこと言ったんだよね。
「え、いや、そんなことないと思います!」みたいな。(笑)
「難しいと思うから、ちょっとこっちに来なさい。」って別の部屋行って、もうその時は最悪だよ。
「マジかよ!マジかよ!」みたいな。(笑)
マジっすか…(笑)
それでついて行ったら、石膏で出来た立方体と球と三角錐を白いテーブルの上に置いて、「じゃあ、とりあえずこれを描いてみましょう。」って。
そんな流れになってしまい、3人とも超イヤイヤ石膏の立方体と球と円錐をこうやって書いてたんですよ。鉛筆で。
それで、3時間くらいかな。
先生が戻ってきて、「どう、描けた?」みたいな。
「3時間で描いて。」っていう課題だったから。
それで、3人の絵を並べて講評するんですよ。
その時、けっこう俺の絵が褒められて、「あぁ、いいねぇ。この感じいいよ。この影とか球の影のつき方がいい感じ。」とかって。
描いてる時にちょっと楽しかったっていうのと、褒められたっていうのもあって、「あぁ、俺、美大に行こうかな。」って思い始めたんだよね。
その頃、理系がけっこうつまんなくて嫌だったし、このままいっても大学にもいけないし、「そういう仕事にも就けるわけじゃない」って思ってたから。
道に迷ってた時にそこに出会って、「夏休みに夏期講習があるから、とりあえずそれに来てみないか。」って言われて、帰って親に相談したんだよね。
親はびっくりだよね。
「え?絵の学校?美大に行くの?」って。
「夏期講習行きたいんだけど、お金これだけかかるんだけど、いいかな?」って。
それで美大の予備校に行かせてくれることになって、高3の夏から絵を描き始めたんだよね。
それがまたスッゲー楽しくて。
それで、運良く現役で受かったんですよ、美大に。
それで、そこの美大のテキスタイル科に入ってっていう流れ。
美大でテキスタイルを学んだ理由
なぜ美大のテキスタイル科に入ったんですか?
美大には科がいろいろあって、油絵とか彫刻とか建築とか、写真とかグラフィックとか。
なんかまぁ、テキスタイルがよかったのかな。
特にこだわりは全然なくて。
そこの美大って、1年間通った後、後から科を選択することができたんだよね。
油絵からデザインとかは無理だけど、大きく分けると「油絵」「彫刻」「デザイン平面」「デザイン立体」っていうのがあって、僕は「デザイン立体」に入ったんだよね。
「デザイン立体」っていうと、「建築」と「プロダクトデザイン」っていう、カメラとかそういうのをデザインするところと、「テキスタイル」と、他にも何個かあったな。
5個ぐらいコースがあって、建築とかはあんまり興味なかったんだよね。
最初は「プロダクトデザインに行きたいな。」と思っていて、車のデザインとか。
美大に入って1年目は、そういう授業をいっぱい取ったんだけど、「なんか違うなこれ。面白くないな。」と思って。
それで、染め物の授業が面白くて、テキスタイル科に行ったの。
自分で布のパターンを考えて、それで布を染めて。
シルクスクリーンとか、草木染めとか、いろいろやったな。
自分でTシャツ作ったり。
使い放題だったんだよね。
今考えると「美大に行ってる間に、もっとやっとけばよかったな。」って。
あんな機材なかなか使えないなぁと思って。
染色はどうだったんですか?
面白かったよ。
今考えると、もっと真面目にやっておけばよかったなと思うけど。
遊んじゃってたから。
美大もそんな感じで行って、写真も思いつきで行って、旅に行くのも思いつきで行ったんで。(笑)
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