コンサルタント

会計事務所経験者が入った事で変わった会計の仕事の流れ

会計事務所経験者の採用で変わった仕事の流れ

会計のアウトソーシング事業の仕事とは、どのような仕事なんでしょうか?

今回、人材コンサルタントとして独立した安田剛氏に「会計事務所経験者が入った事で変わった会計の仕事の流れ」というテーマでインタビューを行いました。

会計事務所経験者が入った事で変わった仕事の流れ、アウトソーシング事業部の合併話、アウトソーシング事業部合併後の仕事の統合方法などについて伺っています。

会計のアウトソーシング事業に興味がある方や、これから会計関係の仕事に就かれる方の参考になれば嬉しいです。




会計事務所経験者が入った事で変わった仕事の流れ

会計の仕事の流れは変わりましたか

会計事務所経験者の人が入った事で、仕事がどう変わったんですか?

その時の事を、ものすごい覚えています。

途中から、会計事務所経験10数年の人が1人入ったんですね。

その方が入る前までは、会社の経理経験がある女性が3人で、一生懸命会計の仕事をやってたんですよ。

「みんな頑張ってくれて、本当にありがとう。」って言っている中でも、山のように仕事は溜まっていくんです、どんどん仕事を取ってきますからね。

仕事は溜まり、あちこちボロボロ漏れがあり、クレーム対応に走っている中で、会計事務所経験10数年の人を1人取りました。

そうしたら、その会計事務所経験のある人が来てから、ものすごい勢いで仕事の山が減ったんですよ。

経理経験者の女性達の机の上に棚があって、宅急便の荷物が積んであったんです。

お客さんから会計の資料が宅急便で届いて、それをチェックしてっていう仕事をやっていたんです。

電卓を叩く音が尋常じゃないんですよ、全く何が起こっているか分からないくらい早いわけです。

「達人技ってこういうもの?」みたいな感じなわけですよ。(笑)

それはすごいですね。(笑)

会計事務所経験がある人にお客さんのところに行ってもらうと、安心感が全然違うんですよね。

会計事務所経験がある人はお客さんから信頼されるので、外に行く機会が増えると、中で仕事をする時間が減るわけですね。

それで、また次の人が必要になるという流れです。

ゆくゆくは会計事務所経験がある人達が在宅の人達に仕事を教えて、在宅の人達が1人でもしっかり仕事をできるようにしていかないといけないんですよ。

本当は会計事務所経験がある人達に、教育に時間を費やしてもらって、中では全体を統括することをやってもらいたかったんです。

社内をその流れにするためのプロセスとして、まずは最初に「ダーっ!」って仕事をやってもらったんですけど、会計事務所経験のある人が3人になった時に、すごい仕事の流れが安定したんですよ。

「会計事務所経験のある人が3人になる。」っていうことは、当時のその部署の予算からすると、とんでもない経費の上がり方だったんです。

でも、「これから起こるであろうクレームの山を考えれば、どれだけ安い投資か。」っていうのを訴えるのが、すごい大変でしたね。




アウトソーシング事業部の合併

アウトソーシング事業部の合併話とは

それで、仕事がうまく回り始めたんですね。

同じグループの7〜8社も同じ業態なんですね。扱う資格が違っても、基本パターンは一緒なんです。

その中で、教材販売の部署の営業部長の力で、会社の業績が良いか悪いかが決まってくるんですね。

私が所属していた会社の、教材販売の部署の営業部長はちょっとイマイチだったんですね。

もう1つ、すごく仕事のできる営業部長の会社があって、後から出来たのにそっちの方が規模も大きくなっていったんです。

その会社にもアウトソーシングの事業部ができていたんですけど、人数もそっちの方が多いわけです。本体が大きいから。

それで、そこの会社のアウトソーシング事業部と合併する話になったんです。

その時に、社長に言われた一言が「安田、悪いけど、お前1人だけ行ってよ。」って。意味が分からないですよ。

それはひどいですね。

私の部署はその時、5人で仕事をしていたんですね。

さっき「会計事務所歴のある人が3人来て。」って言ったんですけど、その時はまだ来ていなくて。

合併する前は、男性で会計の仕事をやってくれる人が2人だけだったんです。

それをサポートしてくれる女性と、営業の人が2人で合計5人。

その時に、社長から「私以外の4人は、悪いけど合併において連れて行けない。」と。

「解雇」っていう話ですよ。「何を言っているんだ、この人?」と。

「お客さんどうすんの?スタッフの対応どうすんの?今までの仕事どうすんの?」と。

「私1人で、この5人がやってた仕事を全部やれるわけないでしょ?」というのを分からせるために、必死のプレゼンをやったわけです。

本当に気が早いというか、すぐ行動するタイプの人だったので、「すぐに合併する。」っていう話で。

もう合併まで日にちがなかったので、「どうしよう?」って焦りました。

どうやってプレゼンしたんですか?

経理とは仲が良かったので、「数字的根拠を出さなきゃいけない。」と思って、経理の人に頼んで、今の事業部としての毎月の売り上げ推移と、かかっている経費と、スタッフの数とその人達の仕事の状況、あらゆる資料を用意しました。

「もし今いる5人がいなくなって、仕事が滞って対応ができなかった場合、どういうことが起こるか。」っていうリスクを書いて、社長ともう1人顧問がいたんですけど、その2人にプレゼンをしました。

「一回、絶対に話を聞いてもらわなきゃ。」と思って、とにかく呼んで、2人を並べて、資料も並べて。

「これができないんだったら、私はもう仕事はできません。」っていうのを訴えたんですよ。

その時に社長に言われたのが、「あぁ、そのぐらいしかマイナスないんだ。毎月300万円マイナスになってると思ってた。」って言うんですよ。

ようは「アウトソーシング事業部=300万円のマイナスを垂れ流ししている部署」っていう捉え方なわけですよ、社長の中で。

「このやろう!」と思いましたけど。

でも、売り上げや経費を計算していくと、マイナス150万円ぐらいだったんですね。だいたいですけど。

部署としては、サポートの仕事をやっていたので。

売り上げを上げる人達よりもサポートするための人が多いですからね。




アウトソーシング事業部合併後の仕事の統合

合併後の仕事の統合方法とは

事業部が合併した後は、どうなったんですか?

それで、事業部を合併する時に、こっちは5人です。

向こうは14〜15人いたんですよ。

会社の力関係で言ったら、まちがいなく向こうの事業部のトップが、全体を統括することになるんですよ。

でも、一応社長がそこは人間を分かっていて、私をトップにしたわけですね。

当然、向こうのトップは面白くないですよね。

合併される側がたかだか5人で来ていて、自分達より先にあった事業部かもしれないけど、こっちは十数人いるわけですから。

合併してからは、何かにつけて邪魔してくるんですよね。

こっちは、やってきたことも仕事のやり方に関しても完璧な自信があったので、1つ1つ「そっちがやっている仕事のやり方を見せろ。」と、全部見させて。

それで、こっちがやっている仕事のやり方を見せて、1つ1つ「どっちの仕事のやり方の方がいいと思う?」ってやっていきました。

なかなか力技ですね。

あとは、1人1人面談をして、「こういう仕事のやり方で僕はやっていくけど、それでやれるのか、やれないのか?」って。

それで4〜5人辞めていきました。

人も仕事のやり方も淘汰していって、本当にできる人間がちょっとだけいたので、その人間とチームを作って、合併することで1つの仕事のやり方に統一することができたので、どんどん広がっていったんですよね。

お客さんも広がりましたし、最終的に顧客数が300名までいったので、そこそこの会計事務所より全然大きいんですよ。

会計のアウトソーシング会社でも、そこまでの規模を持っている会社は、その当時そんなになかったと思います。

仕事がすごく形になっていたなと思います。「その仕組みを1から作れるか」って言ったら、作れないですよ。

行政書士の資格を取るような女性達って、賢いんですよね。

だから、ちゃんと仕事を教えられる人がいて、仕事を教えられる環境があったら伸びるんです。

行政書士の資格を取るのって難しいですよね。

最高で月20万円以上稼いでた人もいたんですよ。

中には北海道の人もいたんですけど、地方の人でも1回は研修で、会社が交通費を出して、本社に来てもらっていました。

その後は基本は在宅で仕事をやってもらっているんですけど、お客さんとの電話のやりとりは受けたりもしてくれました。

東京に住んでいてお客様対応ができる人は、「お客さんのところに税務署の調査が入る。」っていう時に、普通は会社の社長と経理が立ち会うんですけど、「会社の経理の人よりも、うちの在宅スタッフの方がよっぽど良く知っている。」っていうことで、行ってもらって対応したりしていました。

会計事務所経験者の、レベルが高い人達が入ってくれたことで、仕事の仕組みとしては最高の形にできたんですよ。

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