コンサルタントの方は、独立して一番最初に、どうやって仕事を取ってくるのでしょうか?
今回、人材コンサルタントとして独立した安田剛氏に「独立して一番最初のお客さんと仕事を取ってくる方法」というテーマでインタビューを行いました。
一番最初のお客さんはどうやって見つけて来たのか、仕事を得るためのアプローチ方法、仕事が軌道に乗るまでの2年間や営業ができなかったコーチングの仕事などについて、お話を伺っています。
コンサルタントとして独立された方や、「これからコンサルタント仕事をしよう。」と考えている方の参考になれば嬉しいです。
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一番長い付き合いになる社長との出会い
最初のお客さんはどうやって見つけてきたんですか?
一番長いお付き合いになることになったお客さんは、実はその心理学の講座の同期の方なんです。
ある会社の社長さんなんですけどね。
その心理学の講座に通っていたっていうことは、部下との関係で悩まれていたから来ていたんですよね。
心理学の講座を受講中も飲み会が度々あったので、飲み会のたびにずっとお話を聞いていたんですけど、講座が終わってしばらくは特に何もなかったんです。
お客さんになっていただいたのは、心理学の講座を卒業してから、半年ぐらい経ってからだったと思います。
私がコーチングの仕事をやっていることはお伝えしていて、お客さんになる前の段階でも常に相談には乗っていたんですよ、卒業した後も。
それで「コンサルティング料をお支払いできるようになりました!」っていう連絡があって、そこからお客さんになって、仕事をさせて頂いた感じです。
他のお客さんへはどうやってアプローチしたんですか?
他のお客さんへは「新しくコーチングの仕事をやります!」って言って、ホームページを作り、お披露目しました。
でも、ホームページを作ってお披露目しても、限界があるじゃないですか。
その当時、本当によくいろんな勉強会や交流会に参加しました。
勉強会や交流会にひたすら行って、その中のご縁ですね、仕事が広がっていったのは。
特にコーチング系、心理学系、人材研修系の講習で出会った人、もしくは直接その人じゃなくて、ご紹介してもらった仕事が多かったですね。
「ワークショップ形式の講習」っていうのは、結構深く話し合う機会が多いので、深く話し合うとつながりができるんですね。
「交流会でなんとなく仕事の話をする。」っていう関係ではなくて、「なぜこういう仕事をやっているのか。」とか「その仕事を始めた経緯は何だったのか。」っていう話ができたりするんですよ。
そうすると、私の事をよく分かってくれた上で仕事を紹介してくれるので、最初はすごくありがたかったですね。
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一番最初の仕事と結婚による環境の変化
一番最初の仕事はどういう感じだったか覚えてますか?
一番最初の仕事は、今までのお付き合いがあった人達の中で、「こういう仕事をやります。」ってなった時に、「じゃあ、ちょっと試しに仕事をお願いできますか?」って言ってくれた人が何人かいました。
とは言っても、「お試し程度」の仕事だったので、生活費がまかなえるほどではありませんでした。
ちょこちょこっとした仕事は何人もあったんですね。
でも、仕事としてちゃんとした形になるのは、1年かかってますね。
その間、生活は大丈夫だったんですか?結婚もされていましたよね?
その時は、結婚して2人暮らしが始まって、母は近くに1人暮らしをしていました。
嫁・姑の関係があって、「一緒に生活する。」っていうのは、選択肢上どうも考えられませんでした。
結婚した後に、嫁・姑の関係がすごい大変なんですけど、これはちょっと置いときますね。
この話をすると長いので。(笑)
でも、その嫁・姑の関係があったからこそ、仕事で使う心理学的な、カウンセリング的な部分の実践力はものすごい学ばされました。
間違いなく、母と妻のおかげですね。父との関係ももちろんそうですけど。
結婚することになったことで、妻を紹介するタイミングで「父に数年ぶりに会いに行く」っていう場面ができるわけですけど、これも妻のおかげですよ。
妻と結婚したから父と話をする機会もできましたし、父を向こうのご両親に紹介しに、父と2人だけで北海道に行ったんですね。
なので、父とのこれまでの関係も含めて、そういう機会を持てたのは間違いなく妻のおかげですね。
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仕事が軌道に乗るまでの2年間
仕事が成り立つまでの2年間、資金は大丈夫だったんですか?
なんとか大丈夫でした。その間はどこからも借金はしていないです。
本当にありがたいのは、前の会社での8年間、本当にいろんな大変な経験がありましたけど、おかげさまで給料的にはちゃんと出してもらっていたので、そこそこ貯められたんですね。
同世代の中でも優遇されていたと思うんですよ。
8年間の間にちゃんと貯金していたので、最後の方は確か相当ギリギリだったと思いますけど、何とかなりました。
しかも、コーチングの認定をもらった2004年の秋に、第1子が生まれてくるんですよ。
つまり生活が成り立っていない時に、子供を授かったんですよね。
第1子が生まれてきた時も、まだ月ベースでの収支では赤字で。
妻も子供が生まれる前に仕事を辞めて、2人して完全にプー太郎のような状態の時に子供ができたんですよね。
だから、当然嫁さんからは相当言われるわけですよ。
「いつになったら黒字になるんだ。」みたいな。
一番しんどかったのは、妻からのプレッシャーですね。(笑)
子供も生まれて、売上も赤字だったら、焦りも出てくるんじゃないですか?
焦りはもちろんありますけど、私はどうもそこの神経が鈍いところがあるらしく、「なんとかなるんじゃない。」って思ってたんですよね。
お金に対する観念って、人によって生まれ育った環境で違うと思うんですけど、その辺はわりと妻の方がものすごいシビアでしたね。
お金の面で一番不安を持ったのは、おそらく母を呼ぶ時ですね。
その時のほうが、私の中で人生のインパクトはデカかったですね。
本当にそれまで順風満帆で、特別事件らしき事件もなく生きてきた人生に、大きく「ガツっ!」っときたのはその時だったと思います。
この事実をどう扱っていいか分からないような状況だったので、そこが一番しんどかったですね。
子供が生まれた時は、目の前にやらなきゃいけないことが見えているので、やるしかないじゃないですか。
そうは言いながら、焦りがなかったわけじゃないですけどね。
営業ができなかったコーチングの仕事
仕事がなかった時に、「ガンガン営業しよう!」っていう考えにはならなかったんですか?
なりましたよ。
電話帳買ってきましたし、何冊も。
実はちょっと営業したんですよ。
ちょっとやったんですけど、自分で何を言っているか分からなくて。
商品先物取引の会社にしろ、運送の会社にしろ、売るものも、どんなメリットを押し出せばいいかも明確なんですよ。
ただ、「お客さんがその商品やサービスをいるかいらないか。」っていう話なので、確率論なんですよね。
ところが、自分の仕事となると、それが分からなくなったんです。
「自分が何を売りたいか?」っていうと、「コーチング」なんです。
でも、「誰のどんなお困りの状況に、コーチングはどのように役立つのか。どのようなメリットがあるのか。」っていうのが、明確に検証できていないわけですよ。
もちろん営業トークは一応考えたんですけど、しゃべっていてもピンとこないんですよね、自分で。
自分でピンときていないと、お客さんに響かないですよね。
「『自分でピンとこない。』っていうのはどうなんだ?」と思って、途中で電話帳は置きましたね。
嫁さんには何度も言われました。
「あんた、あれだけ『営業ならいくらでもできる。』って言ってたよね?あの電話帳、どうなってんの?机の下で眠ってるけど。」って。(笑)
プレッシャーがすごいですね。(笑)そこからどうやっていったんですか?
さっき言った通り、とにかく人と会いました。
ひたすら勉強会、交流会に参加していましたね。
でも、交流会では仕事に繋がるような事はほぼなかったんじゃないかな。
交流会で情報を仕入れて、おそらくほとんどが勉強会のつながりでもらった仕事ですよ。
「勉強会」って、同じものに対して学ぶ姿勢があるわけじゃないですか。
同種的な感じなので、関係性は近くなりやすいんですよね。
「交流会」っていうのは何か目的があって、仕事を探している人達が多いじゃないですか。
特に私の場合は、何か商品があって、何かのニーズがあって、それにぴったりはまった人に「はい、どうぞ。」っていう仕事では全くないんです。
コンサルタントの仕事って、「安田」っていう人間を見て、「この人、こういう人なんだ。この人にだったら、こういうことを相談できるかも。」っていうのを感じてもらわないと、何も始まらない仕事なんですよね。
だから、それを感じてもらえる場が必要なんです。
その中で「勉強会」っていうのが一番効果が高かったっていうことだと思います。
勉強会に参加することで、この10年仕事をやってこられた気がしますね。
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