「就職コンサルタント」という職業を聞いた事がありますか?
「就職コンサルタント」とは、大学のキャリアカウンセリングの授業を行ったり、就職活動に関するアドバイスや面談などを行う職業のことを言います。
今回、就職コンサルタントとして起業した高田裕明氏に「就職コンサルタントの仕事とは」というテーマでインタビューを行いました。
就職活動をしている大学生やこれから社会に出る方に向けて、いろいろな職業がある事をお伝えする事で、職業選択のお役に立てれば嬉しいです。
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目次
就職コンサルタントの仕事
就職コンサルタントの仕事とは、どんなお仕事ですか?
就職活動をしている学生を支援するのがメインの仕事です。
大学で「キャリアデザイン」の授業をやったり、就活講座をやったりしています。
あとは、大学のキャリアセンターでキャリアカウンセリングや面接対策練習を個別にやっているのがメイン業務ですね。
それ以外に、個別で「就活塾」と、会社のインターンシップのお手伝いなんかもやっています。
面白いところでいうと、仲間内でカンボジアでお弁当屋もやっていたりします。
「就活塾」とは何ですか?
「就活塾」は、もともとあんまりやる気はなかったんです。
だけど、友人が代表をつとめる会社がありまして。
そこでは、「学生がもっと盛り上がったり、主体的になってほしい。」ということで、飛び込み営業をさせているんです。
「飛び込み営業をすることで、学生が気づきを得る」っていうような仕事をやっていて、そこに参加している学生達が就職活動に悩んでいて。
その友達から「就職活動に困っている学生が数名いるから教えてほしいんだよね。」と頼まれて、「就活塾」を始めました。
特に公募とかはしていないので、「『就活塾』に参加してよかった。」っていう学生が友達を呼んでくるっていうスタイルで、基本的には6〜7人ぐらいをベースにやってますね。
「飛び込み営業」をすることで変わるものなんですか?
友人の会社なので仕組みはよく分からないんですけど、勇気とか経験を得られるので、学生から言うと「変わってくる。」らしいです。
コミュニケーションのスタイルが変わるとか、学びはやっぱりあるみたいですね
カンボジアのお弁当屋はどんな感じですか?
現地に日本人の仲間が一人いるので、その人が中心となってお弁当屋をやっています。
最初の立ち上げは行って、日本からお客さんを紹介するとかはあるんですけど、日本ではそこまでやることはないですね。
カンボジアの仕事も新しい事業展開を考えていて、もうちょっと形になったら発表もできると思います。
そうなると、日本からも支援がしやすくなる事業ができますね。
まだ試行錯誤段階で形になっていないので、「早く形にしないとな。」っていう感じですね。
4人〜5人くらいの仲間内でやってるんですけど、その中の日本にいる1人がビジネスを持ってきて、それをカンボジアでやるっていう感じですね。
他にも何かやっていることはありますか?
プライベートの事なんですけど、今イベントとかを開催して「人と人とをつなげます。」と言っている方がすごく多く見られるんですけど、それでちゃんとつなげている人を見たことがないんですよ。
要は「30人呼んだら勝手につながるでしょ。」っていう雑な感じですよね。
「こことここが繋がれよ。こっちとこっちが繋がれよ。」っていうのは、お見合いパーティーでもなかなかないですよね。
でも、それぐらいの事をやっていないってことは、彼らは「自分達の収入を稼ぐためにお金をもらう」っていうビジネスモデルがあるからそれをやっているだけで、「言葉が薄いな。」って思います。
1回で30人集めるなんて無理じゃないですか。
「個人事業主をやっていると、1人で戦っていると寂しくなるし、切磋琢磨できる仲間が必要だよね。」ということで、「まずは1対1から始めよう。」って、友達同士で始めた集まりがあるんです。
「この場に信頼できるやつを、1人につき1人だけ呼ぼう。」ということで、1回目やった時に4人が集まったんですよね。
その4人で色々話し合ったり、意見を言いまくったり、受け入れたり、考えたりしている時に、「あぁ、これいいな。こういう価値観を持った人達っていいよね。」という事で、2回目は1人増えて5人だったんです。
言いたいことを言ったり、笑い話ができるような人間関係を、ちょっとずつゆっくりと育む必要があるのかなと思って。
それは個人事業主とか経営者とか、会社でも頑張っている人達だけで作っていきたいなと思っています。
30人まで何年かかるんだみたいな話ですけど、そのできた30人は最強の仲間だと思うので。
「うんうん。」っていうのも大変ですけどね、その場はね。
「それ違うと思う。」って、ちゃんと意見を言いまくる。
喧嘩みたいですけどね。(笑)
でも、言い合えるっていうのは大事だと思うんです。
基本は1ヶ月に1回のペースでやっていこうと思います。
それを5年とか10年続けていって、できた仲間っていうのは信頼ができるから、地方に飛んだとしても手伝ってくれると思うので、そういうのを目指してコミュニティーを作っていこうと思っています。
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就職活動の支援とは?
就職活動の支援とは、具体的にはどういうことをやるんですか?
今、学校で「キャリア教育」っていうのが必修になってきていて、どこの大学も「キャリアデザイン」の授業があるんですよね。
僕の場合は大学2年生に「働くって何ですか?」みたいなことを中心として、それをどうやって伝えていくかとか、自分たちで発見してもらうかっていうのを授業でやっている感じです。
僕はやっぱり「体験」が大事だと思っていて、今教えているのが工業大学でやっているので、コミュニケーションがあんまり上手じゃないんです。
コミュニケーションが上手じゃない理由は何かっていうと、やっぱり経験が少ないんですよね。
話す経験が少ないとか、自分のことを誰かに伝える経験が少ないというのがあるんです。
何でも体験をしたほうがいいと思うので、自己紹介を数多くやったり、みんなの前で発表する機会を作ったり、プレゼンをしてもらったりしています。
人前でしゃべるっていうのが成長のチャンスだと思うので、大学のキャリアの授業ではみんなに前に出て発表してもらう時間を多く作っていますね。
他には就職活動の講座をやっていて、就職活動の講座は大学3年生や4年生の就職活動生向けにやるので、決まった内容です。
学校から依頼された決まった内容をやっています。
自己PR講座だったら自己PRを考える、履歴書講座だったら履歴書の書き方を教える、面接対策講座だったら面接の対策をやるといった感じで、就職活動の対策を教えています。
あとは最初に「なんで就職活動するんだっけ?」という、スタートアップみたいなところもやります。
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就職コンサルタントに必要なスキルとは?
就職コンサルタントに必要な能力とは何ですか?
最近、僕も「お前の強みはなんなんだ?」って言われ続けて、1年ぐらい経って、やっとちょっとずつわかってきた感じがします。
まだまだですけど、いろんな人がいたら、いろんな人の気持ちに立って意識を変えられる事だと思います。
それが強みですね。
全体的な空気を読むのはまだ分からないですけど、「個々の空気を読む」っていうのは強みだと思います。
でも、それって分かりづらい強みですよね。
仕事で20人いっぺんに講義をした時に、「この子は分かってて、この子は分かってないな。」みたいな事が分かるので、「どっちに合わせようかな。」って考えながら話をしています。
就職カウンセリングの時もそうで、「この子が話している内容が本当か嘘か。」っていうのを感じながらやっています。
「ぶっちゃけどうなの?」って聞いて、心を開くかどうかもそうだと思います。
知らない人に最初から「心を開いて。」って言っても無理じゃないですか。
だから、「その為にどうしたらいいか?」っていうのは、常に考えています。
僕はすぐに自分の事を言っちゃいますから。
話していくうちに、「この人だったら大丈夫だろう。」みたいな安心感があるんじゃないですかね。
だから、「実は… こういうところに就職したいんです。」っていうのをよく言ってもらって、「あ、そうなの!?いいじゃん、好きな事やれるところに就職すれば!」って言ってますね。(笑)
「お前が好きな事やるために就職するなら、俺は応援するよ。」って。
「じゃあ、そこに就職するためには、これをやらなきゃいけないよね。じゃあ、やっていこうか。」みたいな感じで話を進めていきます。
確かに「応援するよ。」って言われたら、嬉しいですよね。
僕が言われたら嬉しいんですよね、「応援する。」って言われたら。
「いいじゃんそれ!応援するよ!」って言われたら、やる気も出るので。
逆に、応援しかできないんですよね、学生に対して。
代わりにやってあげる事もできないので。
就職活動でも、面接を受けるのは僕じゃなく、学生なので。
「就職活動っていう舞台で本番を演じるのはあなたなので、僕は遠くで応援してるから。」っていう感じですね。
あとは、「相手の可能性を信じられる」っていうのも強みかもしれないですね。
みんな可能性に満ちてますからね。
僕も可能性で生きてきている人間なので、可能性を見てもらえなかったら、「試してみてください!」とか存在しないわけじゃないですか。
実績があったら別ですよ。
でも、独立する時って、特に実績なんてないじゃないですか。
「所詮、会社員でやったことでしょ?」っていうレベルなので。
そんなの評価してもらいづらいですよね。
「独立してから何やったの?」って言われるわけで、一番最初は何もないじゃないですか。
何もない状態で、一番最初に使ってくれる人って、向こうも怖いですよね。
それでもやってもらうには、「こいつはできるだろう。」と想像してもらわないといけないんです。
自分の可能性を伝えないと。
それは就職活動にも言える事ですよね?
そうですね。だから、就職活動でも今まで自分がやってきた事を伝えて、可能性を信じてもらう。
何でもそうですけど、やったことの質は別としても、「目の前の事から逃げない。」っていう選択をしている人は、何をやってもやっぱり逃げないじゃないですか。
できなくても最後までやってきますよね。
そういう人は、やっぱりお願いしやすいでしょうね。
でも、「すごい結果を出してるけど、すぐ逃げる人」とか「得意分野だけやって、不得意分野はやらない人」は信用しづらいですね。
それが、就職活動で「今までやってきた経験を語るんだよ。」とか「お前は何をやってきたんだ。」という話につながります。
「何をやってきたかをどう伝えていくか。」っていうのを教えるのが就職コンサルタントの仕事なので。
「それってこういう観点はなかったの?」って言ったら「確かにありました。」とか、「こういう想いでやってたんじゃないの?」って言ったら「そうです。なんで分かるんですか?」とか。
「いやいや、それ言わないと伝わらないじゃん。」とか、話を想像しながら聞いてあげる。
学生は自分の事を言葉にするのが苦手なので、それを言葉にしてあげる。
その言葉を使うとパワフルになるんですよね。
そうすると可能性を見出せる。
そういうアドバイスをしていくのが、就職コンサルタントとしての僕の仕事です。
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