美容室を開業してすぐどんな事が起こり、どのように行動すればいいのでしょうか?
今回、美容室を開業した板倉貴宏氏に「美容室を開業してすぐにとった行動とは」というテーマでインタビューを行いました。
西日暮里駅から徒歩10分の場所で美容室を開業した板倉貴宏氏に「美容室を開業した経緯」や「美容室を開業してすぐの行動」を伺いました。
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美容室を開業したきっかけとは
どういう経緯で美容室を開業する事になったんですか?
知り合いの社長さんが西日暮里の今僕がやっている美容室を持っていたんです。
前の職場とは関係のない社長さんです。
その社長さんと話をしていた時に、「すぐそこの美容室を誰かに明け渡したいんだ。3日ぐらいで結論を出してくれ。」って言われて。
ゆくゆく美容室を開業したいとは考えてましたけど、「3日で」ってなかなか厳しいですよね。(笑)
決断を迫られましたね。
決断を迫られる感じでしたね。(笑)
でも、これは逆に言ったらチャンスだなって。
美容室を開業するいいタイミングなのかもしれないし、僕わりと決断が遅いんですよ。
けっこうゴチャゴチャ考えちゃう方なんで、それで遠回りしてきた部分もあったんです。
「考えてもしょうがないよな、これはやったほうがいいっていう事なのかな。」みたいな。
遠回りしても、今まで意味なかったし。
それで美容室を開業する事になった感じです。
ただ、経営を全然勉強せずに始めたので、最初はなかなか大変でした。
何が必要で、どういう仕組みでやっていくかも手探りだったので。
僕の中では「とりあえず鏡があって、ハサミも持ってるし、お客さんが来て綺麗にしてお帰しすれば、利益を得られるからいいんじゃないか。」と。
本当にシンプルに、なにも考えずに開業しちゃいましたね。(笑)
その社長さんとはどういうつながりなんですか?
その社長さんがやっている会社の美容室でちょっとやっていた事があって。
もともと、その人は美容師じゃなくて、事業をやっている方で、今は70歳ぐらいの方なんですよ。
だから、百戦錬磨というか、いろんな経験を積んでいる人なので、お話を聞いているだけで勉強になります。
今も今後の展開を教えてくれたりしますね。
今は店舗を増やすことに力を入れているみたいです。
もともと何店舗か持っている人なんですけど、独特なやり方をしている人なんです。
最初は物販とかスーパー銭湯とかから開業したみたいですよ。
バブルの頃を知っている人で、昔はヨットとか持っていたみたいです。
だから、僕らの世代だとちょっと信じられないような生活をしていた人なんで、すごい懐も深い人で、いろいろ教えてくれたりします。
昔はご飯に連れて行ってくれたりしましたね。
そのご縁で、今の美容室を譲り受けたという感じです。
今は小平とかその辺りを中心にやっているみたいです。
東京の東側は撤退するということで、「美容室やる?」っていうお話をくれて。
もともと西東京がメインで、なぜかここだけあったんですよ。
それでチャンスが回ってきたっていう感じですね。
その社長さんの美容室も「1000円カット」だったんですか?
そうですね。その時に、買って頂いて。
その美容室は普通に求人雑誌か何かで見つけて応募しました。
最初はバイト感覚で始めましたね。
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美容室を開業する準備とは
美容室を開業するための準備はしていましたか?
正直、美容室を開業する準備は全然していなかったですね。
その前の職場で、たぶん同年代でもけっこう稼いでたと思うんですよ。
すごく頂ける美容室だったので。
でも、もらった分だけ使っちゃってました。
なんでしょうね、なんかなくなってたんですよね。(笑)
あとはお金の使い方を知らなかったっていうのもあったんですよ。
ちょっと入ったら誰かをご飯に連れて行ったり、自分にもご褒美と称して何か買ってみたり、貯蓄もほとんどありませんでした。
それで開業して大丈夫だったんですか?
普通だったら、たぶん美容室を開業する時に譲渡金とかかかるんでしょうけど、付き合いのある人だったので、「そのまんまやってくれていいよ。ただ、月にこれだけは支払ってくれ。」という契約でした。
小額なんですけど、今も何万か月々払ってます。
紹介料じゃないですけど、すごい破格でやらせてもらっています。
そのお金を支払いながらやってる感じです。
だから、美容室を開業するための初期費用はほとんどかからなかったですね。
美容室を開業するために何が必要なんでしょうか?
もともと1000円カットの美容室なので、鏡と椅子、自分のハサミはありました。
ただ、1000円カットのお店なので、内装的にすごいチープな美容室だったんですよ。
「いや、これではちょっと、仕事したくないな。」と思ったんで、自分で買って、揃えたりしましたね。
ペンキで塗ったり、家具をちょっと買い足したり。
それも準備をしていれば、本当はもっと計画的にできたんでしょうけど。
今って美容室を開業するにも、いろいろな創業支援とかあるじゃないですか。
全然知らないまま開業したので、個人で借金をして始めちゃったんですよね。
借金したんですか?
はい、銀行とかから。あとは普通にカード切ったりとか。
今考えるとバカなんですけどね。
それで、あとあと詳しい人に「こういう融資とか知らないの?」って言われて。
「いや、知らないっす。そんなのあるんですか?」みたいな。(笑)
まぁ、あとの祭りなんですけどね。
でも、なんとか成り立ってるんで、結果オーライかなと。
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美容室を開業してお客様を集客した方法とは
お客さんはどうやって連れてきたんですか?
もともとあった1000円カット美容室を引き継いだので、ある程度その美容室についているお客さんがそのまんま来てくれた感じはありました。
僕に変わった事で来られなくなったお客様もたぶんいるとは思います。
ただ、1000円カットの美容室なので、人というよりは価格で来ている人がほとんどだったんではないでしょうか。
立地的にけっこう微妙じゃないですか?どの駅からも徒歩10分ぐらいっていう。
すごい中途半端な場所ですよね。
当時は2人ぐらい雇ってたらしいです。
人件費がかかりますから、成り立っていたっていうことは、それなりに来ていたんでしょうね。
住宅地なので、近所の人が来てくださるっていう感じだと思います。
僕、美容室を開業してから、広告はほとんど打ってないんです。
広告宣伝費0に近いと思います。
フライヤーとかは作ってはいたので、多少はかかりましたけど、口コミがほとんどですかね。あと、ブログとか。
ブログを見て来る方はいらっしゃるんですか?
たまーにですね。
ブログ自体もアクセスがそんなにあるわけじゃないので、どっちかっていうと「これから伸ばしていく」っていう方向ですかね。
ポスティングとか、他に集客をしましたか?
ポスティングはやりませんでした。
うちの美容室の外に出てる、額縁の看板って分かります?
あれは僕の友達が作ってくれたんです。
その子も今、イラストレーターとしてやっている子で。
僕、その子の作品がすごく好きで、その看板をモチーフにフライヤーを作ってくれたんですね。
ポスティングって「捨てられて当然。とにかく配る。」みたいな感じがあるじゃないですか。それがどうしても嫌で。
できれば顔を見て、一人一人「よろしくお願いします。」って渡したかったんです。
まずは知っている人に渡して、「いいでしょ、このデザイン。」みたいな感じで配っていました。
もう、フライヤーの意味ないんですけどね。(笑)
イラストを宣伝してるみたいな感でしたね。
そんな感じで、知り合いの知り合いに配ったりとか、そのくらいですね。
道で配ったりもしていませんか?
ないです、ないです。
あれもだいたい捨てますよね。
あとはお店に置いといて、いらしたお客様が気に入ってくださって、それをお店から持って行ってくれて、お友達に渡して下さったりとかいうのはありましたけどね。
美容室の内装について
美容室の内装や家具はどのように変えていったんですか?
やりながらですかね。
前の美容室の内装があるじゃないですか。
自分が使ってみて気に入らないものを、とりあえず外していったんです。
それで、「ここにこういうのがあったらいいかな。」って思ったら、休みの日に家から持って行って設置したりとか。
模様替えってします?
ソファーとかテーブルがあって、座っていて「なんか居心地悪いな。」と思ったら変えたりするじゃないですか。あれと同じです。
準備とかしたわけじゃないですね。
「この内装で行くぞ!」ってなったのはいつですか?
今も決まってはいないです。
例えば内装だけで言うと、いつ変えてもいいと思ってます。
ちょこちょこ変えるんですよ、内装。
美容室としての方向性も、やりながら実感していくというか。
最初に頑張りすぎない方がいいんでしょうか?
「それでもなんとかなりますよ。」っていう。
僕はそんな感じで開業して、4年経ちましたし。
だって、何が正解かなんて分からなくないですか?
美容室って、店舗をこだわって開業するところが多いイメージです。
僕の人生そのものが実験みたいな感じですよね。
「実験してるんだ。」っていうほど度胸があるわけじゃないですけど、それでも結果、実験みたいな感じになってますよね。
この話を同業者に言うと「よくやってるね。」とか「それでいけるんだね。」って言われたりします。
ただ、結果どっちがいいとかは分からないですよ。
だって、僕と話してる同業者のほうが実際稼いでたりするわけですから。
でも、「こういう道もありますよ。」っていう感じでしょうかね。

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