現在、美容師として働いている人は、なぜ美容師になったのでしょうか?
今回、美容師として独立した板倉貴宏氏に「美容師になった理由とは」というテーマでインタビューを行いました。
現役美容師が美容師を目指した理由を聞くことで、少しでも職業選択のお役に立てて頂ければ幸いです。
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目次
美容師を目指した理由とは
いつから美容師になりたいと思い始めたんですか?
高校2年生ぐらいに「美容師になりたい。」と初めて思いました。
僕は北海道の旭川っていう内陸の方の出身で、3人兄弟の真ん中なんですけど、一番下の弟が10歳離れているので、ほぼ末っ子として育ってる感じなんです。
だから、けっこうわがままに育ったんだと思います。
それで、うちの親父が中卒なんですね。
北海道のすっごい田舎の村から出てきた、言ったら「たたき上げ」ですよね。
印刷工だったんですけど、けっこう苦労したみたいで、根性のある人なんです。
頑張って頑張って家も建てて、子供も儲けたんですけど、民間企業で働く大変さが身に染みて分かっている人なんです。
だから、子供達には「公務員になってくれ、親方日の丸だから間違いない。」って、すごいプッシュされていました。
僕はそれが嫌で「なんで言う事聞かなくちゃいけないんだ。自分の人生は自分で歩く。」って、よく喧嘩していました。
とにかく「ネクタイはしたくない。もっと自由でクリエイティブでモテそうな、かっこいい仕事がしたい。」みたいな、本当にすごい軽いノリでした。(笑)
それで、「そんな仕事がないかな?」って考えてた時に、たまたま「ヴィダル・サスーン」のコマーシャルを見たんです。
シャンプーもありますけど、「ヴィダル・サスーン」って、人の名前なんですよ。
ハサミでカットをする先駆者というか、美容師業界では神様のような人なんです。
そのシャンプーのコマーシャルで、たぶんあれはファッションショーの裏舞台だったと思います。
ハサミでシャカシャカシャカって切って、ドライヤーでブワーって仕上げるわけですよ。
それを見て「うわぁ〜、かっこいいな〜!美容師いいな!」ってなって、「美容師になります。」みたいな。(笑)
ちなみに美容師と理容師があると思うんですけど、なぜ美容師を選んだんですか?
かっこいいからです。
理髪店の人もかっこいいんですけどね。
当時、中学までは床屋さんだったんですけど、高校生になってから美容室に行き始めて、自分の実感する感覚の違いっていうのがあって。
「床屋さんはこういう感じだけど、美容師ってこういう感じ」っていう。
こんなこと言ったら怒られますけど、その当時は「床屋さんだせぇ。」みたいなことを思ってたんです。
「美容師の方が今っぽい感じにしてくれる。」っていう感覚があって、美容師を選びました。
テレビで美容師が流行っていたとかはありましたか?
テレビで美容師が流行りだしたのは、僕が働いてからですね。
夜中にバトルものをやってたんですよ。
美容師同士でヘアスタイルを競う「シザーズリーグ」っていうのが。
その当時「カリスマ美容師」っていうのがすごい流行っていましたね。
その頃はすでに美容師として働いていたので、美容師を目指す動機にはならなかったですね。
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美容師になった過程とは
その後はどうなったんですか?
「早く働いて家を出たい。」っていう気持ちもあったし、「進学するよりは手に職つけた方が」っていう思いもあったので、まずは旭川の美容学校に行きました。
美容師の資格を取る学校ですね。
その当時はまだ「東京に行く」なんてまったく考えてなかったですね。
とにかく「美容師というものになる。」と。
それ以外はあまり何も考えてなかったですね。
「美容師の学校に行っときゃいいんでしょ。」みたいな。
学校は正直片手間で、「卒業できればいいのかな。」っていうぐらいしか考えていなくて、飲食店でバイトしながら遊び呆ける毎日でしたね。(笑)
卒業が決まるちょっと前に、たまたま美容室をチェーン展開している東京の会社の社長さんが、「青田買い」って言うんですかね、地方を回って良さそうな子をピックアップしてお店に入れていくみたいな事をしていたんです。
その方が「君は男の子だし、これから地方で美容師をやるより、都会に出て美容師をやってみないか?」と。
当時クラス30人中、男の子2人だったんですよ、僕を含めて。
まだ美容師が流行る前で、男で美容師になる人は少なかったんですよね。
それで、「よく分かんないけど、面白そうだから行こう。」って、たいした決意もなく、東京に出てきました。(笑)
お父さんは東京に行く時とか、専門学校に行く時に反対しなかったんですか?
僕が「美容師になるために、この学校に行きたい。」ってはっきり示したら、反対しなかったですね。
どっちつかずっていうのが一番嫌な人だと思うんですよ。
ただ「お前そんなことで本当に美容師になれるのか?」っていうのはチクチク言われてましたけど。(笑)
僕、とにかく遊んでたんで。
「そんなことじゃ、プロでは通用しないぞ!」なんて言われて、「あんたは美容師になったことないだろ!」って言って、バチバチやってましたね。
でも、最終的には応援してくれました。
「とりあえず美容師になれ。でも半端なことはするな。一人前になるまで帰ってくるな、絶対。」みたいな感じでしたね。
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東京の美容室では
東京に出てきて、どうなったんですか?
そんなこんなで東京に出てきて、その社長さんのところで美容師として働き始めました。
面接とか試験っていうのは、ほとんどなかったですね。
「君が来るんだったら、いいよ。とりあえず履歴書を形だけでも出して。」みたいな感じでした。
それで履歴書を出して、上京して会いに行って、「いつから来る?」っていう感じで、初めての就職が決まったっていう流れです。
人生のターニングポイントはどこでしたか?
分岐点ってけっこうありますよね。
大きく「これ」っていうのはないですけど、高校生の時に初めて「美容師になる」って思ったコマーシャルと、専門学校の時に東京の美容室の社長さんが来た時、あとは美容師として独立した時ですかね。
そう考えると、今まで会ったことがないような人に会った時ですね。
僕、中学までファッションにあんまり興味がなかったんですよ。
それで、高校に入って付き合った女の子が、わりと服が好きな子だったんですよね。
やっぱり影響を受けるじゃないですか。
それでファッションから入ってヘアースタイルっていうのもありますね。
それがなかったら、美容師にもなってないし、美容学校にも行ってなかったですもんね。
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