独立した人は、なぜ「独立しよう。」と思ったのでしょうか?
今回、花屋として独立した大竹ミキ氏に「1回目の独立をした理由と屋号に込められた想い」というテーマでインタビューを行いました。
なぜ急に「独立したい。」と思ったのか、どういう流れで相方と独立することになったのか、「はなあわせBigmama」という名前に込められた想い、独立する為に必要なものなどを伺っています。
花屋の仕事に興味がある方や、これから花屋として起業・独立を考えている方の参考になれば嬉しいです。
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独立した理由
なんで急に「独立したい。」と思ったんですか?
急にでもないけど、独立する時って、そんなもんじゃないですか?
「自分達でやりたいことをやりたい。」と思ったから。
私たちの時代って、会社に勤める事で「その会社の社長の想いに共感する人」って、あんまりいなかったと思うんだよね。
「自分達でやった方がいい。」っていう想いが強かったから、「独立しよう。」って思ったの。
社長はとても魅力的な人だけど、私は「私のやりたいことを形にしたい。」と思って。
それで、同期のあおいさんと一緒に、渋谷で独立したっていう感じ。
「はなあわせBigmama」っていう名前で、2人で始めたんだよね。
その時が30歳手前ぐらいかな。
2人で「独立しよう。」ってなったのは、どういう経緯だったんですか?
「独立しよう。」と思った経緯は、思い出そうと思っても、思い出せないんだよね。
でもよくみんな言うでしょ?「ああ決めて、こう決めて、こう!」っていう独立じゃなくて、波に乗ったんだと思う。
私は「『こうやって、こうやって、こう!』って独立するべきなのかな?」っていうのが頭にはあっても、実際には計画的にはできない。
営業もできないし、なんかただ状況に任せて進んでいった感じ。2人で「やりたいことやりたいよね。」って。
実際にどういう話になったかは、あんまり覚えてないんだよね。でも、独立したんだよね。
独立するまでの流れ
2人で一緒に青山フラワーマーケットを辞めて、独立したっていう感じですか?
彼女は先に青山フラワーマーケットを辞めていたんです。
でも、その後ずっと連絡取らなかったの、彼女と。たぶん1年ぐらい取ってなかったんじゃないかな。
それで「縁が切れちゃう。」と思ったの。でも、あおいさんとはすごい不思議な縁を感じていたんだよね。
ただ気が合うとか合わないとかそういうのじゃなくて、それ以上の何かを感じるような人で。
だけど、「他愛もないことで縁が切れちゃったりするんだな。」って思ってた。でも、近くにいたんですよ、お互い。
それで再会して、「2人で独立しよう。」ってことになったの。
なんで独立する流れになったんですかね?
あおいさんが「奥さん」で、私が「旦那さん」みたいな、そういう立場だったの。(笑)
「こういう気の合い方っていうのもあるんだなぁ。」って、すごい思った。
その時、あおいさんは外国のフラワーアレンジメントのお教室から、オファーがあったりはしていたかな。すごい魅力のある人だったの。
でも、なんか「もっとできるんじゃないかな。」っていう想いがあったんじゃないかと思う、お互いに。
「独立したら、自分の思っていることがよりストレートに表現できる。」と思ったの。
なるほど。それで2人で独立したんですね。
そうですね、ごく自然な流れで独立しました。その時、怖いものもなかったのよね。
独立した時、彼女は彼女で、定期の花の教室を持っていたんだよね。
それで、月に1回どこかに出向いて、フラワーアレンジを教えるっていう仕事をやってた。
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「はなあわせBigmama」という名前に込められた想い
なんで「はなあわせBigmama」っていう名前にしたんですか?
それもすごい考えたんですよ。意味は「大きなお母さん」。
人はきっと、お母さんの事を嫌いな人っていうのは、そんなにいない。
どんなタイプのどんな年齢の人でも、子供でも、おじさんでも、おじいさんでも、きっとお母さんの事は好きなんです。
そんな感覚で花の事を「いいなぁ。」とか「好きだなぁ。」って思ってくれると嬉しいなと思ったの。
だから、「大きなお母さん」のイメージとしては「母をたずねて三千里」のマルコのお母さん。
「母をたずねて三千里」って、お母さんって出てくるんですか?
出てくる、出てくる!最後はお母さんに会うんだよ、お母さん病気だったけどね。マルコのお母さんも大きいんです。
でも、「『Bigmama』だけだと、何屋さんだか分からないね。」って。
事務所を借りた場所も、怪しい場所だったんです。渋谷の円山町。(笑)
だから、「何か前につけたいね。」っていうことで、「はなあわせ」ってつけたの。
「はなあわせ」っていうのは、花と花を合わせる、花と器を合わせる、花と物を合わせる、花を介して人と人を合わせる、そういう意味合いでつけました。すごくいい名前だと思って。
だけども、実際問題その「はなあわせBigmama」っていう名前に似合う事は、最初に独立した時はできてなかったかなと思う。
あの時はまだ「ワークショップ」っていう名前もなかったし、イベントを自分たちで立ち上げられる、そんなイメージもなかったな。でも、それが今になってできている気がする。
独立する為に必要なもの
独立するのに何が必要でしたか?
なるほどね、そういう質問ですよね。そのへん、ちょっと弱いかもしれない。流れのままに独立しちゃったから。
独立して、最初の事務所はマンションの一室。ワンルームマンションだったよね。8畳ぐらいだったかな。
「マンションの一室」って言っても、最初に敷金・礼金とか必要だよね。
そんなに高くはないにしても、ある程度まとまったお金が必要だったかな。
そのお金は、きっと私が持ってたんだと思う。
貯金するようなマメなタイプじゃないけど、独立する時にそれぐらいはあったんだと思う。
「そのぐらい。」なんて言っても、今はないけど。(笑)
花で独立するのに、事務所以外に何が必要なんですか?
あとは、車と駐車場。車は彼女のお金で買ってくれたの。
「お教室があるから、毎月お教室のお金をローンに充てる。」って言って。
それで「私は敷金・礼金とか、最初にかかるバーンとしたお金を出すね。」って言ったの。
あと、最低限仕事ができる環境は必要だったかな。電話も必要だよね。あの時は携帯じゃなくて、ポケベルの時代。確か、FAX電話みたいなのを使ってたかな。
あとは、花を入れる桶を買ったり、花を作業するテーブル、ラッピングペーパー、バスケット、セロハン。そういう、最低限花屋に必要な資材とかあるでしょ。
独立して最初に、そういう資材をある程度買ったかな。
やっぱり花を扱う仕事に必要な資材はありますよね。
でも、お店とは違うから、そんな素敵に見せる必要はないよね。
独立した時に「そういう資材は揃えないといけない。」とは思ってたかな。でも、必要に応じて揃えればよかったんだよね、お店じゃないから。
黄色い花束が入ったら黄色いラッピング用品を揃えて、ピンクの花束が入ったらピンクのラッピングを揃えてっていう感じ。
お店だったら何が入るか分からないから、独立してすぐに全部揃えなきゃいけないでしょ。だから、それは楽だったかな。「注文に応じて仕入れる」っていう方法はすごくいいと思った。
ただ、「そのやり方をお客さん達が受け入れてくれるか」っていうのは難しいよね。
みんななんとなく花屋にふらっと行って、「3000円で花束をお願いします。」って注文して、待ってる。
作ってくれて、できた花束を持って行くっていうのが普通だと思ってるから。
そうじゃなくて、ちゃんと事前に注文を受けて、「ああでもない、こうでもない。」って作れた方が、綺麗なものができるんだもん。そういう時間はもらえた方がいいなと思う。
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独立してからの通勤
2人とも毎日事務所に出勤して、仕事に向かうみたいな形だったんですか?
毎朝、事務所に出勤してたの。その時大変だったのが、渋谷にも駐車場を借りて、うちの方にも駐車場を借りてたの。
市場にも行かないといけないから、渋谷まで電車で行って、渋谷から車で市場に向かうと時間が2倍かかちゃうでしょ?
だから、うちから直接市場に行った方が早いっていうことで、いつも車の通勤だったの。車で彼女のうちまで行って、彼女を乗せてから渋谷に行く。帰りもそう。駐車場代も2倍かかるの。
でも、やってたね、そんなこと。
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