コンサルタントとして起業する為には、どのような方法があるのでしょうか?
今回、人材コンサルタントとして起業した安田剛氏に「コンサルタントの仕事で起業する方法と人生の最終的な目標」というテーマでインタビューを行いました。
コンサルタントとして起業する方法、自分の核になるものを見つけることが大切なこと、自分の核心を探す方法、人生の最終的な目標などを伺っています。
コンサルタントとして起業したい方や、「いつか起業したい。」と考えている方の参考になれば嬉しいです。
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目次
コンサルタントとして起業する方法
起業した時、「コーチング」は実務として未経験ですよね?
「コーチング」というカテゴリーで言えば、起業した時点では学んだことはないですね。
「コーチングの本を1冊読んだことがある。」っていうくらいでした。
それから本や講座でコーチングの勉強をして、実際にコンサルタントの仕事を始める時には、それなりの知識はついていたと思います。
コーチングの認定も取れたので、「コンサルタントとして仕事をしてもいいだろう。」ということでスタートしました。
ただ、私のその時の気持ちとしては、「コーチングプログラムを教えてくれた講師の人よりも、実務経験では私の方が上だ。」っていう自信があったわけです。
「コーチング」っていう手法は、その時初めて学ばせてもらったわけですが、実務としては「そこらへんの35歳の人よりは、はるかにやっている。」という自負があったので、そこは基盤として強かったと思います。
実際、「コーチング」っていうのはきっかけであって、「聴く」と「勇気づける」が満たされれば、別に方法はなんでもよかったと思いますよ。
自分の中で「聴く」と「勇気づける」は一貫して自分の支えなんですよ。
揺るぎないんです、ここは。
この2つは一生涯役に立つと思っています。
だから、「『そういう自分の核になるものが何なのか』っていうのを自分の中でしっかり掴み取る事が、起業する上で一番大事なんじゃないかな。」って思いますね。
「コンサルタントとして起業をしたい。」って思った時に、どう行動すればいいですかね?
私が起業に関して何かお伝えできるとすれば、自分の核になる「これ」っていうものを見つけるためのことを必死でやったほうがいいと思います。
例えば、大学のキャリアデザインの仕事をちょこっとやらせてもらった時に、キャリアデザインの授業で、みなさんプレゼンをしていたんですね。
その中で、1人だけめちゃめちゃ優秀な、際立ったプレゼンをした男の子がいたんです。
プレゼン自体も素晴らしかったんですけど、技術的なこともできるみたいなんです。
その彼だけが、授業が終わった後に質問をしてきて、「他大学の友人から起業しようと誘われている。どうすればいいか。」と。
「あなたそれに対してどう思っているの?」って聞いた時に、「その事業内容なら、起業すればある程度いけると思っている。ただ、自分としては何がなんでもやりたいと思える事業内容ではないんだ。」と。
それに対して「じゃあ、結論は見えてますよね。」って返したんですよね。
私が思っているのは、「起業する上で大切なもの」って自分自身が本当に最後まであきらめない、「何が何でもこれで行くんだ。」って思えるものに巡り合う事だと思うんです。
今の時点でいいんですよ。
今は方向性だけでもいいと思うんですけど、「こういうことで起業したいんだ。」っていう核を見つけること。
「なぜ、それで起業したいのか?」っていうのを、ちゃんと自分の経験から語れるものがあった時に、人って初めてやり切れると思うんですよね。
そういう核になるものがない、「時流に乗ってる。」とか「儲かりそうだ。」とかいうことで起業したものって、まず間違いなくどこかで頓挫するんですよ。
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自分の核を見つける方法
なぜ途中で頓挫してしまうんでしょうか?
なんで頓挫するかっていうと、「何が何でもやりたい。」って思ってないから。
だから、「何が何でもやりきる。」っていう姿勢で取り組まないから。
やれないんですよ。
途中でやめる理由がすでにある中で、起業しているんですよ。
じゃあ、「そういう核になるものができるまで起業しちゃいけないのか?」っていうと、そういうわけではないんですね。
自分の中で「『何が何でも。』って思えるものを決めよう。」と思って、アンテナを立てて行動していれば見えてくるんですよね、自ずと。
「日常の中でどれだけ真剣に、自分の核になるものを見つけるために考えて行動していますか?」っていうことだと思うんですよ。
起業をしたら生活が変わる、起業をしないとこのまま生活が変わらない。
そんなことはないと思うんですよ。
起業をしていない状況の中でも、「起業をするための準備」っていうのはいくらでもできるんです。
私自身、会社がニッチもサッチもいかなくなる前に、自分の中で棚卸しをしていましたし。
自分の中のネタを探したり、起業のアイディア出しをする事はすごく大事なことだと思うので、どんどんやったほうがいいと思うんです。
ただ、その作業と同時に、「自分の核心を探す」っていうことをやってほしい。
どうやって自分の核心を探せばいいでしょうか?
そのきっかけの1つとして「ぜひやってもらいたいな。」と思うのが、「自分のルーツをしっかり見つめる。」っていうこと。
「お父さんはどんな人で、お母さんはどんな人なのか。」っていうのを、ぜひ調べて欲しいなと。
例えば、「お父さんは職人気質で一途なところがあって、お母さんは人当たりが良く気立てがいい。」とか、そういう2人の良さを引き継いでいる人がいたりするわけですよね。
それで、「自分がこういうものを引き継いでいるな。」っていうのをしっかり見つめることができると、そこから何か気づく事があると思います。
これって他の誰かの言葉じゃないわけですよね。
間違いなく自分にあるものなんです。
おじいちゃんやおばあちゃんから来ているものもあるかもしれないので、2代先まで見たほうがいいですね。
それが分かったら、「自分はどんなことができるのかな?」っていうのをぜひ考えてみて欲しいんですよ。
そこに絶対ヒントがあるので。
他の誰でもない、その人にとっての紛れもない自分のルーツがあるので。
安田さんのルーツはどうでしたか?
私の場合、父も母も聴き上手。
でも、自分では父のことを「聴き上手」と思ったことは一度もなかったんです。
人に言われて気づいたんです。
父が約6年前に亡くなってから、仕事仲間と話をする機会があって、お互いの親の話をしている時に、フィードバックをもらったんですよね。
父のことを色々話したら、「お父さんもすごい聴き上手だったんですね。」って言われて、衝撃だったんですよ。
「えっ!?どこが?」みたいな。(笑)
「だって安田さん言ったじゃないですか、これこれこうだったんでしょ?それって聴き上手以外の何があるんですか。」って。
「あぁ、そうか。」って教えてもらったんですよね。
実は子供の立場って、意外と親のこと分からないんですよ。
客観視しないので。
よそで聞いてる人間のほうが、よっぽど客観的にフィードバックをくれるわけです。
そういう仲間を持てるといいですよ。
そういう話ができると、自分に気付けるので。
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最終的な目標
今の時点で、最終的にどうなっていこうと思っていますか?
息子が今、小学校5年生なんですけど、授業で「将来の仕事」について考える時間があるんですね。
自分の親の仕事のことを調査するとか、周りの大人に仕事の取材をしに行くとか、宿題をもらってきたりするんですよ。
この間、授業参観でその発表を聞いたんですけど、いろんな子達がお父さんの仕事とかお母さんの仕事を「自分も同じ仕事をやりたい。」って言うんですね。
うちの息子もそんなことを言ったんです。
継ぐような仕事じゃないんですけど、私の仕事って。(笑)
でも、私の中で「聴く力」を使える社長さんがどんどん広がっていって、それを継承するような人が出てくれば、自分が生きた意味というか、いわゆる「プロとして生ききったな。」って思えると思うんですよね。
どれだけこの仕事を継承するような人達を作れたかによって、自分の満足感は違うのかなって。
私の中で「聴く」っていうことはものすごい命題なんですよ。
やっぱり「聴く」を伝えることをやる、「聴くことで人の役に立っていること」だけで満足している場合じゃないと。
「じゃあ、どこまでそれをやりきれたらいいのか?」っていうのは、「『聴く力』でこんなに会社って変わるんだっていう事例をどれだけ作れたか」っていうところだと思います。
それが、自分の役割が果たせたかどうかのバロメーターにはなるだろうと。
あとは、さっき言った「人を大切にする経営学会」があって、そこで授賞式をやってるんですね。
そこで表彰される会社を何社か出していきたいなと思っています。
「起業家×酒場」では、16人の起業家・フリーランスにインタビューを行なっています。
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