仕事をしているとたまに耳にしますが、「M&A」とは何なのでしょうか?
「M&A」は「会社を買ったり売ったりすること」という概要は分かるものの、何のために会社を売ったり買ったりするのかという実際の目的などは分かりづらいですよね。
今回、M&Aコンサルタントとして起業した中村亮一氏に『会社を売ったり会社を買ったりする「M&A」とは』というテーマでインタビューを行いました。
会社を売る目的、会社を買う目的、M&Aコンサルタントがやることなどについて、お話を伺っています。
M&Aコンサルタントの仕事に興味がある方や、これからM&Aコンサルタントとして起業したいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
目次
会社を売る目的とは
どういう人が「会社を売りたい。」って思うんですか?
僕は会社を売る目的を大きく3つに分類しています。1つ目は非常に分かりやすいパターンです。
「会社の業績が良くないから手放したい。」あるいは「将来的に会社が付き合っている取引先が大きく減ってしまうので、取引先がある今のうちに高値で売り抜けておきたい。」っていうのが、1つ目のバターンです。
2つ目が「後継者がいない会社」です。
「誰がその事業を継ぐのか。」と考えた時に、「事業を継ぐ人がいない。」っていうパターンが2つ目。
3つ目が、「さらに自分の会社を大きくしたいんだけど、自分では能力不足だ。」と思っているパターン。
会社を売るのは、この3つのパターンですね。
会社を買う目的とは
では、「会社を買いたい人」は、どういう人が買いたいんですか?
事業を拡大したい人ですよね、シンプルに。
「新しい業界に参入したい。」とか「川上から川下に向かっていきたい。」っていう場合もありますし、「川下から川上にいきたい。」っていう会社もあります。
田中さんはアパレル業界にいたから分かりやすいと思うんですけど、製造と商社・卸がいて、小売りがいるわけじゃないですか。
小売をやっていて規模が大きくなってくると、「上流まで全部押さえたい。」って考えるんですよ。
「川上に登っていく。」っていうやつですね。そういった時にM&Aをして会社を買うわけです。
メーカーが「小売まで押さえたい。」っていうのが「川下に行く。」っていう話なんですけど、こういう形で「グループで事業をやりたいんだ。」っていう方針はもちろん分かりますよね。
あるいは小売で言うと、デパート出店はしているんだけど、ショッピングセンター立地の出店はない会社の場合。
「ショッピングセンターに行く層の顧客を取りに行きたいんだ。」ということで、ショッピングセンター立地をしている会社をM&Aで買収するという事例もあります。
他にも、20代〜30代の女性物を扱っているけど、30代〜50代のミドル層の女性物を扱っていないから、「そこの顧客層を取りに行くんだ。」という形で、商品のターゲットを変えた会社をM&Aで買収したりもします。
こういう案件が会社を買うパターンとしては分かりやすいと思いますね。
なるほど。そうやって事業を拡大したい人がM&Aで会社を買うんですね。
あと、小売が分かりやすいと思うんですけど、店が増えると販売量が増え、仕入れ力が強くなるわけですよね。たくさんまとめて買うわけですから。
そうすると「ディスカウントしてくださいよ。」っていう交渉がしやすくなるんですよね。
たとえば、月に100万円しか買っていなかった会社が、他の会社を買収して「月に200万円仕入れが必要になりました。」となる場合があったとします。
買う商品が2倍になるわけですから、当然そのぶん「ちょっと値引いてよ。」って言えるわけで、値引いてもらった分が利益に反映されてくるわけですよね。
これって当然メリットがあるので、そういったメリットを考えてM&Aをする会社もありますよね。
M&Aをやる目的にも、いろんな切り口があると思います。
M&Aコンサルタントがやること
確かにそういう目的でM&Aをやる会社もありそうです。
なので、どういう切り口で、どういう会社がいいのか、どういう事業がいいのかっていうところも一緒に考えてあげるのがM&Aコンサルタントの仕事です。
例えば「こういうM&Aの案件があるんですけど、可能性はありますか?」っていう話をすることもありますし、先方から直接「こういうことをやりたいんだけど、こういうM&Aの案件を見つけてきてほしい。」っていう依頼を受けることもあります。
他には「なんとなくこの業界を狙っているんだけど、この業界(会社)ってどう思う?」っていう相談に乗ることもあります。
会社を買う買い手さんにもいろんな方向でアドバイスをすることはありますね。
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