高2で通い始めた美大の予備校と忙しかった大学生活

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美大での生活はどうでしたか

美大とはどんなところなのでしょうか?
美大は一般の大学と比べると数も少なく、受験方法も特殊なために「美大の受験は難しい。」という話をよく耳にします。

今回、アクセサリーブランド「YORTZ」を起業した中田チサ氏に「高2で通い始めた美大の予備校と忙しかった大学生活」というテーマでインタビューを行いました。
高2から通い始めた美大の予備校でのエピソードや、美大の受験について、美大での生活などを伺っています。
これから美大を目指す方の参考になれば嬉しく思います。




美大の予備校とは

美大の予備校

美大を目指して、高2から予備校に通い始めたんですか?

そうですね、週2くらいで。
美大の予備校って、最初は「基礎デッサンコース」っていうのがあって、1年間石膏像しか描かないです。
最初は絵を描くこと自体が楽しいし、いろいろ教えてくれるんですよね、「こういう見方があるよ。」とか。
だから、石膏像を描くのはそんなに苦じゃなかったですけど、浪人生とか見てると自分達で絵を描いてるから、早くそっちがやりたかったです。
「油絵、描いてみたい!」っていうのがあったので、苦ではなかったけど「超楽しい!」っていう感じでもなかったです。
でも、それはみんな分かっていて、「下積みしなくっちゃ。」っていう気持ちはあったので、「絶対嫌!」っていうわけではなかったです。
たまに逃亡する人もいるんですけど。(笑)

授業中に逃亡する人がいるんですか?

「やってられないよ!」って言って、絵をビリーって破く人とかいるんですよ。
中学・高校とかだと、そういう時期ってあるじゃないですか。
たぶん毎年いるから先生は全然慌ててなくて、「あ、また出たよ。」みたいな感じでしたね。(笑)




美大の受験とは

美大の受験

美大の受験って何をするんですか?

筆記試験は小論文と英語だったかな?
美大の受験は、ほとんど絵がメインですね。
私は美大の油絵科志望だったので、一次が鉛筆デッサン、二次が油絵。
二次が水彩、三次が油絵の美大もありました。
一次を受けて落ちたら二次が受けられないところもあったし、一次と二次の総合点で判断するところもあったので、受験方法は各美大によって色々ですね。

課題は何を描くんですか?

課題も色々なんですけど、印象に残っているのは、「空想デッサン」っていうのがあって、自分で想像するんですよ。
「冬と私」とか「雑誌と私」とか。
あとはライスペーパーとか紙切れを渡されて、「これを空想デッサンしなさい。」っていう課題もありました。
渡された紙をそのまま描いたら空想デッサンじゃないんですよ。
紙切れをそのまま描くんじゃなくて、紙切れをいっぱい描いたりとか、紙切れが映ってる影を描いたりとか、光の反射をテーマにして描いたりとか。
紙切れの中に宇宙を空想して描く人もいましたね。
「宇宙」人気でしたね。(笑)

美大の試験時間って、めっちゃ長いんですよね?

長いですね。
ほぼ1日やりますもん。
美大はだいたい2日かかりますよ。
一次が鉛筆、二次が油絵、あと1日が学科っていう。
面接はなかったんですよね。
美大の受験って、基礎学力と想像力で判断されるみたいな感じでしたね。
私が受けた時は、「小論文を書きなさい。テーマは『嘘』」っていう試験でした。
美大の受験は大変でしたね。
私、特に油絵科だったので、油絵って暖かくないと乾かないんですよ。
受験って寒い時期にあるじゃないですか。
だから、油絵が乾かなくて、乾かない中でうまく描いて作品にする。
出来上がった時に乾いてなくていいんですよ。
油絵って重ねていくから、前の絵の具が乾いてないと濁っちゃうし、形も潰れちゃうんですけど、そこをちゃんとできるかどうかを見ているんですよね。
それができる人はやっぱり技術もあるし、ぐちゃぐちゃな中でも形を見せることができるっていうのは、ものを掴み取る力があるし、表現する力があるっていうことなので、そこを見て判断するんです。

美大に入る人って、みんなそれができるんですかね?

科によると思います。
美大にはデザイン科とか建築科、彫刻科なんかもありますから。




美大での生活とは

現役で美大に合格

現役で美大に合格したんですよね?

はい。
でも、多摩美の夜間なんですよ。
美大って、昼間と夜間でいったら、昼間の方が断然レベルが高くて、夜間は入りやすいんですよ。
私も中学から私立に行ってしまい、さらに習い事もして、やっぱり金銭的に難しかったみたいで、「現役で行ってね。」って言われて。
たぶん普通の大学に比べると、美大に現役で行ける人ってすごい少ないので、だいたい浪人するんですけど、私浪人ができなくて。
美大を受ける若い現役生は、普通は夜間を受けないんですよ。
でも、私は夜間を受けて受かって、それで入ったって感じですね。

美大の時はどんな生活だったんですか?

夜間なので、月曜から金曜まで、授業時間が17時〜21時10分だったかな?
土曜日が学科の日で、早くて11時から夜まで、好きな学科を選択して、授業がある人は出るっていう感じですね。
昼間より授業時間は短いです。
ただ、昼も来てOKみたいな感じでした。
「学校は開いてるけど、出席取るのは5時10分からだよ。」みたいな感じなので、だいたい昼間も行ってましたよ。
一応、出席は取るんですよ。

どういう授業なんですか、美大の授業って?

最初の方はモデルさんが来て、「何月何日〜何月何日までで、この大きさの絵を2枚仕上げなさい。」とか、そんな授業でした。
モデルさんはその期間、毎日来て同じポーズを取ってくれます。
油絵科は油絵だけじゃなく、水彩も描いてました。
油で1枚、水彩で1枚、鉛筆で1枚とか、そんな感じでしたね。
1年でだいたい6枚くらいかな?
適当ですけど、だいたいそれくらい描いていた気がします。
2年まではモデルさんが来て描くんですけど、2年以降は100号っていう約130cm×160cmの絵を「前期で2枚、後期で2枚描きなさい。」っていう課題でしたね。
テーマは自由なんです。

どういうテーマで描いていたんですか?

私は美大に通っている時、現代美術の方が好きになっていたので、ゴツゴツした昔の油絵みたいに「乗せて、乗せて、描き込んで」っていうのが、あんまり好きじゃなくて。
割とすっきりした絵を描いて、すごい広い空間に「ちょこん、ちょこん」としか物がない絵を描いてましたね。
「超かっこいい!」と思ってたんですけど、自分では。(笑)
「こういう感じが好きだな。」と思って描いてたけど、昔からゴリゴリ描いている先生からしたら、「力量が足りない。」とか「頑張りが足りない。」とか言われてました。
でも、「いい。」って言ってくれる先生もいて、美大にはいろんな先生がいるんですよね。
新しい表現を受け入れる人もいるし、根性論じゃないけど、「学生の頃は苦労してゴリゴリ描いた方がいいんだ。」っていう先生もいるし、ほとんど好みですね。
でも、評価が悪いからって進級できないわけじゃなくて、ほとんど普通に出席していれば、進級できて卒業できるので、普通の大学に比べたら美大はゆるゆるな感じでしたよ。
課題を提出しないと進級できないですけど、よっぽどのことがない限り、だいたいは進級できますね。
例えば、絵が上手じゃなくても、頑張っているのが認められれば進級できたと思います。
たぶん上手い下手じゃないと思うんです。

美大の時に行っていたアルバイトとは

授業以外では何をしていましたか

授業以外では何をしていたんですか?

美大に通っている時は、授業以外はバイトをしていましたね。
最初は本当に、「バイトができる。」っていうことが楽しいじゃないですか。
中・高、厳しかったから、バイト禁止だったんですよね。
バイトしてましたけど。(笑)
働けることが楽しくて、洋服屋さんやったり、シュークリームのお店で働いたりしてたんですけど、「これって楽しいし、お金にはなるけど、別にプラスじゃないじゃん。」と思って。
私、その時は就職するつもりだったので、美大を卒業して就職したらバイトできなくなるし、知らない事を知りたいと思って、せっかく美大にいるし、美大でしかできないバイトを探そうと思ったんですよね。
大学の掲示板って、アルバイトの募集が来るんですよ。
その中に「造形屋」っていう仕事があったんですよね。
ディズニーのパレードの車とか、街中でやっているイベントにある巨大なオブジェとか、小さい番組で使うミュージックビデオ用の小道具とかを作る会社です。
そこの会社から美大に募集があって、その時インスタレーションとか立体をやりたいと思っていたので、「学べるチャンス!」と思って面接に行って、そこで働き始めたんです、アルバイトで。
美大の同級生達は綺麗な格好してカフェとかで働いてるんですけど、私はその時ヘルメットと防塵マスクをして、つなぎ着て、発泡スチロールとか延々切ってるっていう。(笑)
そこが樹脂だったんですよ。
今作っているアクセサリーも樹脂で、その時使っていたものとは違うんですけど、大元は一緒みたいな。
そこで樹脂と出会ったんですけど、その時は「将来、アクセサリーを作ろう。」なんて思ってなくて、ただ立体を学びたくて、樹脂っていうのを知りたくて、勉強のつもりで入ってやっていました。

「造形屋」の仕事はどれくらいやっていたんですか?

美大の2年生か3年生の時に始めて、1年半ぐらいやったんじゃないですかね。
すごい大変だったんです。
毎日社員さんと同じように出勤してました。
私は学校があるので早上がりなんですけど。
それに、造形屋さんって臭いがすごいんですよ。
樹脂を使うし、音も出るから、めっちゃ田舎にあって。
立川から南武線でちょっと行ったところまで、実家から通ってました。
1回新宿まで行って、新宿から小田急線で登戸まで行って、南武線に乗って会社まで行くんですけど、もちろん9時出勤に合わせて行くんですよ。
だから、7時に起きて、1時間半ぐらいかけて行ってました。
美大に通っていた時、あんまり化粧とかしてなかったので、起きてすぐ、ほぼすっぴんで行くみたいな。(笑)
7時ちょい過ぎには家を出てましたね。
それで、9時から12時まで働いて、お昼休憩の後に4時まで働いてました。
4時に上がって、5時10分までに上野毛にある美大まで行ってました。
学校は最後に出席を取らないので、授業が終わったら帰っていいんですけど、9時10分じゃ帰らないですね、だいたい。
片付けもあるし、残って描いていってもいいので。
最終的には10時に「もう閉めるよ〜。」って守衛さんが回ってきて帰らなきゃいけないんですけど、まだいたい人は「居残り書」っていうのを出せば12時までいられるんです。
最悪12時までなんですけど、だいたい10時過ぎまではやってましたね。
そこから帰ってご飯食べて、また7時に起きてっていうのを、週5で行ってましたね。
学校は週6だったんですけど、週1はお昼から学校に行ってました。
今、考えると大変でしたね。
あの頃は体力があったんですかね?
よくやってたと思います。
電車の中で立ったまま、寝てましたもん。(笑)
でも、楽しかったです。

アクセサリーブランド「YORTZ」

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アクセサリーデザイナーとして起業する方法

今回、「高2で通い始めた美大の予備校と忙しかった大学生活」というテーマでインタビューを行った中田チサ氏に「アクセサリーデザイナーとして起業する方法」を伺いました。
美大を卒業後、アーティストを目指して創作活動を行い、アクセサリーブランド「YORTZ」を起業するまでの道のりをインタビューしています。
特に中田チサ氏が起業する際に実際にとった行動に焦点を当て、聞いています。
美大を卒業後、アクセサリーデザイナーに興味がある方や、起業・独立を考えている方にオススメの一冊です。


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