「カメラオブスキュラ」をご存知ですか?
「カメラオブスキュラ」とは、カメラの語源ともなった、写真を撮るための原理を使った装置のことを言います。
今回、カメラマンとして独立した齋藤剛志氏に「カメラオブスキュラを通して伝えたい、写真の良さと大切さ」というテーマでインタビューを行いました。
東日本大震災の時に行った「ハイ、ピーーース!」というプロジェクトや、フェスの会場で行なっている「カメラオブスキュラ」のワークショップを通して、写真の良さや大切さを伝えたいという齋藤剛志氏の想いを伺っています。
このインタビューを通して、少しでも写真の良さや大切さを伝えられたらと思います。
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目次
写真の良さを伝えること
今後はどういう風にしていく予定ですか?
そうね、難しいね。
もっと「写真ってすごい素晴らしいものだ」っていうのを、より多くの人に知ってもらいたいっていうのはあるかな。
今ね、写真なくしては生活できないくらい、「写真」ってやっぱいい位置にいると思うんだよね。
衣・食・住の次に「音楽」が来ると思うんですよ。
その次が「写真」だと思っていて。その次が「アート」とかかな。
「撮る人が撮れば、これだけいい写真が撮れるんだよ。」っていうのは感じるな。
みんなが写真に対して、「いいものはいい。」っていう価値観を持ってくれて、そこに素直にお金というものが払えるような意識を高めたいっていうのは思うし、写真の素晴らしさを分かってもらいたい。
絶対分かると思うんだよね。
「写真の素晴らしさを伝えよう。」と思ったきっかけはあるんですか?
そのきっかけになったのが東日本大震災で、「アルバムとか写真が流されて、それを修復するボランティアがすごい重宝されてた。」っていうニュースを聞いた時に、住む場所がなくて、食事もそんな良い食事ができず、会いたい人も会えない状況の中で、写真を修復して「ありがとう。」っていうのがすごい衝撃だったんだよね。
そういう辛い状況だからこそ、「写真の力ってそういうところにあるんだな。やっぱり写真って生きていく上ですごく大事なものなんだな。」っていうのは、その時すごい感じたんだよね。
そこからボランティア的に「ハイ、ピーーース!」っていうプロジェクトをやってるんだけど、それはね、避難所に僕が行って、希望する人に家族写真とか自分の写真を撮って、その場で希望する枚数をポストカードにしてプレゼントするっていうプロジェクトなんだ。
みんな避難所にいて、地方とか遠いところの友達とか親戚とかも会いたいんだけど、訪ねてこられても泊まる場所もないし、訪ねて行きたいんだけど、そんな状況じゃない。
電話じゃ声は聞けても顔は見れないし、手紙ならなおさらだよね。
このプロジェクトをやれば、便りを書いて送れるじゃん。
顔も見れるし、「元気ですよ。」って伝えることができるよね。
そういうのを思いついてやってたんだよね、ずっと。
すごく意義のある活動ですね。
今もたまに時間が空いた時に東北行ってるんだけど、最初の頃はいろんな場所のいろんな人のところに行きたいなと思って、いろんなところに行ってたんだよね、避難所を回って。
途中である家族に出会って、最初奥さんと喋ってたんだけど、旦那さんがすごいシャイなのかあんまり話してなくて、「こういうことやってるんで、よかったら家族で写真撮りませんか?」って言ったんだよね。
それでお父さんが来て、家族で写真撮って、プリントしてプレゼントして。
その時もいろいろ話してたんだけど、話していくうちにお父さんがちょっと心を開いてくれて、いろいろ世間話をしながら、「俺の家があった場所を見に行こう。」って連れて行ってくれたの。
そこはもう土台しかなくて、家はもう全部ないんだけど、「ここに俺の家があったんだよ、本当は。このあと仮設住居が当たったから、そこに移動するんだ。そのうちまたここに家を立てるから、その時も写真撮りに来てよ。」みたいな話になって。
その時に思ったのが、いろんな人のところに行くのもいいんだけど、僕一人でやってるから、限界もあるじゃないですか。
だから、今まで出会った人達のところに2年後・3年後にまた行く。
そういうのもいいなって思って、そこからは同じ人を撮りに行ってるんだよね。
それでね、そのお父さんがこの間、家を建てたんですよ。
それで東北に行って、写真撮って、プレゼントしたんだよね。
「いやぁ、よかったぁ。」と思って。
4年半かぁ。
東日本大震災からもう4年半も経つんですね。
今は頻繁には行けてないけど、そういう活動はやっていきたいですね、これからは。
写真の大事なところをみんなに伝えるみたいな活動を。
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「カメラオブスキュラ」とは
カメラの構造を伝えるワークショップをやっていますよね?
「カメラオブスキュラ」?
あれも要は同じような一環で、「写真ってこれだけすごいんだぞ。」っていうのを体感してもらおうと思って。
具体的な仕組みは来てもらわないと分からないんだけど、要はデカいカメラなんだよね。
人が5人ぐらい入れるような小屋なんだけど、その小屋全体がカメラなんですよ。
畳んで運べるようになってるんだけど。
その中に入ることができるんだよね。
カメラの中に入ったことなんて、まずないじゃないですか。
「カメラの中って、こんな事が繰り広げられてるんだよ。」っていうのを体験してみてもらえるような感じ。
カメラの中って本当にすごくて、「これやばいよ!」っていうぐらいの事が繰り広げられてるんですよ。
「カメラオブスキュラ」はどこでやっているんですか?
だいたいフェスの会場でやってます。
ワークショップとして。
たとえば、「NEW ACOUSTIC CAMP」っていう群馬でやってるフェス。
それと、立川の昭和記念公園でメレルが1日だけ毎年フェスをやっているんですけど、そこでもやってます。
そこはフリーなんで誰でも来れますよ。(※入園料がかかります。)
あれ?フリーだったかな?確かフリーだったと思います。
あとはね、「ARTh camp」っていう新潟の津南でやってるやつと、「GO OUT CAMP」。
「GO OUT」っていう雑誌がやっているイベントでやるときもあります。
毎回じゃないですけど。
それ以外はやってないです。
「カメラオブスキュラ」はすごい昔からあるんですよね?
そうそう。
もともとは「カメラオブスキュラ」っていう小屋の装置があって。
「ピンホールカメラ」っていう、穴が空いているカメラと同じ原理なんだよね。
発見したのは納屋があって、納屋って真っ暗じゃない?
ドアを閉めたら、壁に外の風景っぽいのが映ってたんだって。
「なんだろう?」と思ったら、こっちに木の節が抜けてて、穴から光が入ってたんですよ、バーって。
その光が漏れて壁に映ってて、「穴で映るんだ、外の風景。」っていうのが発見で、装置として考えられたんだって。
小屋の中で外の風景を板に映し出して、そこに最初はなぞって絵を描いてたっていう装置らしいんですよ。
レオナルド・ダ・ヴィンチとか、その頃の時代のやつで。
「それをどうにかして残したい。」って考えて、印画紙とかフィルムが開発されて、写真ができたんだって。
「カメラオブスキュラ」から派生した装置の名前が、「カメラオブスキュラ」の最初の文字を取って、「カメラ」になったっていう。
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「カメラ(写真)」とは
齋藤さんにとって、カメラとは何ですか?写真とは?
コミュニケーションツール。
カメラを通してのコミュニケーションツールだね。
写真もそうだけど。
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